軽い気持ちでした運転行動が、他の車の交通事故を誘発し、それが大きな社会的損害を生み出すことがあります。
今回は、社会的影響の大きかった事故事例のなかで、高速道路での車線変更が大きな事故を誘発し、その結果、高速道路の長時間通行止めにまで発展した事例について紹介します。指導の参考にしてください。
■高速道路が12時間にわたって通行止めに!
平成21年(2009年)1月2日午前7時10分頃、宮城県の東北自動車道下り車線で、タンクローリーが横転する事故が発生しました。
宮城県警・高速隊によると、走行車線から追越車線に進路変更しようとしたワゴン車と追越車線を後ろから来た大型タンクローリーが衝突し、衝突を回避しようと急ハンドルを切ったタンクローリーは、中央分離帯を突き破って、そのまま上り線側に進入して横転しました。
衝突のため、双方の運転者や同乗者が重軽傷を負っただけでなく、タンクローリーに積載されていた液体酸素が漏れ出し、引火や爆発の危険性が高いことから撤去作業に時間を要し、現場を含む区間が約12時間に渡って通行止めとなりました。
大型タンクローリなどの前に割り込んだり、急な進路変更などで相手を脅かすことのないように配慮しましょう。自車が追突されなくても、事故を誘発する恐れがあります。
高速道路で追越車線を走行し続けるのは危険です。原則的に第一車線を走行し、車間距離を大きくとって、自車の前に進路変更されても急制動しなくてすむように心がけましょう。
つまり、進路変更しなければ後続車の通行を妨げることがなく、事故は発生しなかったと考えられるからであり、それだけ進路変更は慎重に行う必要があるということです。
(過失割合は「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準[全訂5版]別冊判例タイムズ38号」を参照しました)
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事故によって鉄道をストップさせたり、田んぼに廃油を流出させるなど、社会に大きな損害を与える事故が発生することがあります。
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