道路を走行していると、「危」「毒」などのマークをつけた車をよく見かけますね。
このマークは、可燃物や劇物・毒物などが搭載されていることを示していますので、こうした車とは事故にならないよう特に注意することが大切です。
さる6月10日午前5時ごろに、京都市内の路上で、コンビニエンスストアの駐車場に入ろうとしていたタンクローリーに、後方から来たトラックが追突し、タンクローリーの後部が破損して大量の塩酸が漏れ出すという事故が発生しました。
タンクローリーに積載されていた塩酸8800リットルのうち6500リットルが2時間半にわたって流出し、気化して「塩化水素」となって広がったため、現場近くの男性(36歳)が左手のしびれなどを訴え病院に運ばれたほか、付近の中学校の生徒14人が頭痛や目の痛みなどの体調不良を訴えました。
幸い全員が軽症ですみましたが、近くの幼稚園複数が臨時休園となり、塩酸除去処理のため道路が3時間半にわたって全面通行止めになりました。
このように、危険物を積載した車が事故にあうと、大きな社会的損害が発生しますので、こうした車に対して軽い気持ちで車間距離を詰めたり、安易な行動をして相手に急ブレーキなどを踏ませないように気をつけましょう。
また、危険物を搭載した車のドライバーは、責任感を持って慎重な行動に徹するよう心がけることが大切です。
(シンク出版株式会社 2015.6.15更新)
事故によって鉄道をストップさせたり、電柱を倒して付近一帯が停電になったり、田んぼに廃油を流出させるなど、社会に大きな損害を与える事故が発生することがあります。
小冊子「こんなに大きい!事故の社会的損害」は、ドライバーのわずかなミスや低い安全意識による交通事故が、事故の当事者以外の人にも大きな損害を与え、取り返しの付かない事態に発展することを理解していただくことのできる教育教材です。