以前、ハインリッヒの法則という言葉を紹介したことがあると思います。「1:29:300の法則」です。
この法則を発見したアメリカの保険会社の技術者であったハインリッヒ氏は、労働災害の研究から別の法則も明らかにしています。それは、「事故・災害の98%は注意していれば防ぐことが可能」というものです。
防ぐのが不可能な「2%」は自然災害によるもので、いくら人間が努力しても逃れられない事故があるということです。逆に言えば、事故のほとんどはヒューマンエラーであり、私達の努力で防ぐことができるのです。
しかし、事故が起こる要因にはさまざまなパターンがあり、98%のすべての事故を予測して防ぐのは、なかなか大変です。そこで大切になるのは、事故事例について知識を得たり他人のヒヤリ・ハット体験を聞くということです。
「人はどんなときミスを起こしやすいのか」という知識をたくさん持っていると、そうした場面に遭遇したとき、自分なりにミスを防ぐ行動をイメージすることが可能になります。逆にまったく知識がないと、うっかりミスをおかす確率も高くなります。
たとえば、右折時には右後方からくる自転車などと衝突する事故が多いということを知っていると、右を注意して確認しようという気持ちになりますね。ですから日頃から事故例に注意を払って、98%の事故防止を目指しましょう。
(シンク出版株式会社 2015.6.23更新)
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