運輸安全マネジメント制度は、輸送の安全確保を目指して平成18年10月から導入され、今年(平成27年)でちょうど10年目を迎えます。
すべての貨物自動車運送事業者は、この運輸安全マネジメントを実施すること、そしてその内容を公表することが法令(※)によって義務づけられています。
このコーナーでは、安全マネジメントに積極的に取り組むことができるように、効果的・具体的な推進方法を紹介していきます。
■運輸安全マネジメントとは
運輸安全マネジメントとは、経営トップから現場のドライバーまで運送事業者が一丸となって、安全管理体制を構築し、継続的に改善を繰り返すことで、
「安全意識の浸透」と「安全風土の構築」
を目指す取り組みです。
具体的には、次のような Plan(計画) → Do(実施) → Check(評価) → Act(改善)を繰り返すことで、輸送の安全性の向上を図っていきます。
この仕組みをPDCAサイクルと呼んでいます。
■規模別に異なる運輸安全マネジメントの進め方
基本的な安全管理はPDCAサイクルの継続ですが、事業者の規模によっては、経営トップ自らが全ての現場の直接指導や管理ができないことも考えられ、「安全統括管理者」などによる統括や安全管理規程の制定など、安全を確実に保つための組織的な整備が必要になってきます。
一方、中小事業者はあまり複雑な活動を行うと、かえって安全管理が難しくなります。
そこで、国土交通省では以下の3つの規模に応じて事業者が実施すべき項目を区別しています。また、「運輸安全マネジメント実施に当たっての手引」を2種類作成し、規模に応じた推進のポイントを解説しています。ただし全て文章のみです(②の準大規模事業者も手引は③と同じ)。
このコーナーでも事業規模に応じた内容紹介を行います。次回からは、まず①の中小規模事業者向けのポイントについて、図解を中心としてわかりやすく解説していきたいと思います。
①中小規模事業者
(車両数が概ね、100両未満で、かつ営業所が1箇所の事業者)
(国土交通省のwebサイトへ)
②準大規模事業者
(車両数が概ね100両以上300両未満、又は営業所が2箇所以上の事業者)
(国土交通省のwebサイトへ)
③大規模事業者
(車両数が概ね300両以上の事業者=規程等義務付け事業者)
(国土交通省のwebサイトへ)