以前もお話しましたが、堤防道路は国道や主要地方道として設計された道路と違って、道路としての構造規格が厳しくありません。
本来、水害防止が目的で造成された堤防の天井部分を道路として借用しているからです。
そのため、カーブであっても国道等ほどしっかりしたカント(片勾配)などはつけていない場所が多いのです。しかも、堤防の構造に影響を与える恐れがあるので、杭打ちのガードレールなども、自由に設置できません。
堤防道路のカーブなどを国道と同じような感覚でスピードを出して走行していると、曲がりきれずに対向車線にはみ出したり、道路の外に転落する危険が大きいので注意が必要です。
さる8月13日午後10時半頃にも、岐阜県大垣市で家族連れの乗用車が揖斐川堤防道路のゆるい右カーブを曲がりきれずに河原に転落し、投げ出された乗員2人が死亡しています。堤防道路は交通量が少ないので、ついスピードを出しすぎてしまいますが、カーブではとりわけ慎重な走行が求められます。
とくに夜間は街灯も少なく危険なので、夜の運転では堤防道路を避けて一般の道路を走行するように心がけましょう。
(シンク出版株式会社 2015.8.24更新)
ドライバーのうっかり事故であっても、交通事故の態様によっては鉄道をストップさせたり、大規模な停電を誘発するなど、社会に大きな損害を与える事故が発生することがあります。
小冊子「こんなに大きい!事故の社会的損害」は、わずかなミスや、低い安全意識による交通事故が、事故の当事者以外の人にも大きな損害を与え、取り返しの付かない事態に発展することを理解していただくことのできる教育教材です。