「交代勤務睡眠障害」という言葉を知っていますか?交代勤務をする人には、睡眠をはじめ心身機能の障害が発生しやすいということで、厚生労働省が警鐘を鳴らしています。
交代勤務のために睡眠時間帯が頻繁に変わる人は、睡眠時無呼吸症候群などの病気がなくても睡眠障害を起こしやすく、昼間、突然の眠気に陥る危険が高まります。
これは、普通は体温が下がってメラトニンなどのホルモンが分泌される夜間に、無理やり覚醒して仕事をしているため、生体リズムやホルモン分泌のメカニズムが変調をきたすからだと推測されています。
このため、夜間勤務を終えて朝方から睡眠をとる際にもなかなか寝付けず、寝付いても何回も途中で目が覚めてしまうといった症状が現れやすくなってきます。
休日を挟んで昼間のシフトに戻っても昼間に突然の眠気を感じる人が多く、米国の研究では、夜勤あるいは交代制勤務従事者の36~45%が日中に強い眠気を訴えるという報告があります(米国睡眠学会の機関誌 "Sleep vol27":2004年より※)。
こうした症状は、深夜運転の多いトラック・バス・タクシー運転者だけでなく、夜間シフトに入らざるを得ない看護師や介護施設職員、工場の交替勤務者などでも共通しています。夜間の運転はもちろん、夜勤あけのマイカーによる帰宅や昼間の業務運転で注意をする必要があります。
なお、昼間就寝する人は部屋を厚いカーテンなどで暗くすると睡眠内容が改善するといわれていますので、工夫して体調の維持に努めてください。
(シンク出版株式会社 2015.10.5更新)
※Drake C.L.,Roehrs T.,Richardson G.,Walsh J.K.and Roth T.:Shift work sleep disorder :prevalence and
consequences beyond that of symptomatic day workers.Sleep,27,pp.1453-1462,2004
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