交通事故の裁判などを見ていると、「信頼の原則」という言葉がよく出てきます。
どういう意味かと言いますと、「交通秩序に従って行動する運転者だけが、法律の保護を求めることができる」という原則で、「クリーンハンズの原則」とも言います。
つまり「公平を求めて裁判所に訴えるものは、きれいな手で訴えなければならない」ということなのです。
たとえば、車を運転して交差点を青信号にしたがって進行していたときに、交差道路から赤信号を無視して出てきた車と出合い頭に衝突したとします。
このとき、青信号で交差点に入った運転者に著しいスピード違反や前方不注視などの違反があった場合には、この「信頼の原則」は適用されずに、青信号にしたがった運転者にも過失責任が認められる場合があるのです。
いくら交差点の信号が青だからと言って、交通秩序を乱すような運転をしている人には、法律で保護をする必要がないというわけです。
違法行為をしている人には、法律で保護されないということをしっかりと肝に銘じて安全運転に徹してください。
(シンク出版株式会社 2016.3.15更新)
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