国土交通省では、軽井沢スキーバス事故を受け、緊急対策として貸切バス事業者を対象とした集中監査を実施しました。
2016年1月19日から3月中旬にかけて、全国の計310事業者を対象に同省の監理官が抜き打ちで集中監査を実施した結果、乗務時間等告示の遵守違反をはじめ多くの法令違反が確認されました。
対象となったのは、過去の法令違反状況などから同省が継続的に監視する必要があると考えた事業者です。
安全に関わる主な法令違反は、
●乗務時間等告示の遵守違反=過労運転防止策が不適切(60事業者、19.4%)
●運転者の健康状態の把握違反(53事業者、17.1%)
●適性診断の未受診(64事業者、20.6%)
●適正な運賃・料金の収受違反(72事業者、23.2%)
●点呼の実施が不適切(62事業者、20.0%)
などでした。
集中監査において何らかの法令違反が確認された事業者(240事業者=77.4%)に対し、監査実施日に改善指示書が交付されています。
4月28日の段階で、法令違反項目全てに改善済みと確認がされた事業者は122者、安全に関わる主な法令違反に対し改善着手中の事業者は32者ということです。
一方、 改善に着手していない事業者は86者ありました。
同省では、一項目でも未改善の事業者に対しては、継続的に呼出監査等を行い、5月中旬までに全て改善するよう指示を出し徹底する方針です。
さらに、今後は行政手続法の所要の手続きを経て、厳正に行政処分を行うとしています。
なお、厚生労働省が2月から3月にかけて196事業場に対して実施した集中監査でも、84.7%の事業場に労働基準法等の法令違反が認められ、36協定で定める限度時間を超えて月130時間の時間外労働を行わせていた事業場などには是正指導を実施しています。