さる5月8日、福岡県飯塚市の県道交差点で横断歩道を渡っていた電動車いすの男性が、右折してきたごみ収集車にはねられ意識不明の重体となる事故がありました。
ごみ収集車の運転者は、「横断歩道には誰もいないと思った」と話しており、電動車いすを見落としたとみられています。
電動車いすの交通事故をみると、約3割は横断歩道横断中に起こっています。
その原因になっているのは、電動車いすは自転車などに比べて背丈が低く、車のドライバーが視認しにくい点があげられます。
また、電動車いすのスピードは、ドライバーが考えている以上に遅いために、その存在を認めていても右折するまでには通過しているだろうと思い込んでいるため発見が遅れて衝突することがあります。
一方、電動車いすの利用者は危険を察知しても、急にスピードを上げられませんので、すぐにその場から避難することが難しく、衝突事故になりやすいという面もあります。
交差点を右折するときには、右折先の横断歩道を渡ってくる自転車などに注意することはもちろんですが、電動車いすを見落としやすいということを十分に認識して、電動車いすの存在にも十分に気を配って運転してください。
(シンク出版株式会社 2016.5.16更新)
高齢社会を迎え、運転者は今後ますます高齢者との事故に注意を払う必要があります。
小冊子「高齢者との事故を防ごう」は、高齢者が歩行中あるいは自転車乗車中に事故にあう6つの事故パターンから、事故に至った高齢者と運転者の意識のギャップを紹介し、取るべき運転行動を解説した交通事故防止教育教材です。