交通事故は複雑な交通状況などが影響して発生しやすいと考えがちですが、意外に走りやすい道でも、油断することにより死亡事故が起こる危険があります。
そのことを実証するデータが山形県警交通部から発表されました。同県警が過去5年間(平成23年~27年)に発生した死亡事故計220件(自動車・原付きが第1当事者)を分析した結果、考え事や脇見などで前方をよく見ていなかった「ぼんやり運転」が59%に達することがわかりました(平成28年5月13日公表)。
事故が発生した危険要因としては、「晴れて気持ちいい」「早く家に帰りたい」「まっすぐに伸びる道」の3つが多く、カーブや狭い道など運転条件が悪い場所での発生は少なかったのです。事故原因の第2位で16%を占める「交差点の安全不確認」を大きく引き離していました。
さらに分析によると、被害者は横断歩行者、時間帯は午後5時~同8時がもっとも多く、帰宅時間が重なることと「走りやすい道」などの気の緩みが事故を招いているとして、同県警では注意を呼びかけています。
都道府県によって事故の特徴に差はあるでしょうが、夕刻の帰宅時に慣れた道で漫然と運転するときに危険が多いことを意識しておきましょう。
(シンク出版株式会社 2016.5.26更新)
──監修:杉原厚吉(「計算錯覚学の構築」チームリーダー)
小冊子「錯視・錯覚に注意して事故を防ごう」は、下り坂が上り坂に見えるなど、運転中におこる錯視・錯覚を具体的に紹介した、事故防止教育教材です。
5つの問題に回答を記入したのち、解説を読んでいただくと、「運転中の錯視・錯覚」について簡単に理解していただくことができます。
巻末には、「錯視・錯覚」をどれだけ意識して運転しているかを確認できるチェックリストを設けています。