さる5月29日午前8時半すぎ、群馬県太田市の片側2車線の信号のない交差点を右折しようとした軽自動車が対向車線を直進してきた大型バイクと衝突しました。
衝突の衝撃で火災が起こり、軽自動車に乗っていた3人と大型バイクの男性の合わせて4人が死亡するという大事故となりました。
交差点を右折する際に、対向車線を直進してくるバイクと衝突するいわゆる「右直事故」がよく起こりますが、その背景には右折するドライバーが直進バイクの位置やスピードを的確に判断できないということがあります。
ここで何度も指摘をしていますが、車体の小さなバイクは実際の位置よりも遠くに見えるために、右折するドライバーはバイクが来る前に右折できると判断しがちです。ところが、実際には判断した位置よりも近いところにいることが少なくありません。
加えて、人間は横に移動する物体のスピードは割と的確に判断できるのですが、遠くのほうからこちらに向かってくる直進バイクのスピードを的確に判断することが難しくなります。
ですから、交差点を右折するときに直進してくるバイクがいたら、絶対に無理をしないでください。
(シンク出版株式会社 2016.6.2更新)
──監修:杉原厚吉(「計算錯覚学の構築」チームリーダー)
小冊子「錯視・錯覚に注意して事故を防ごう」は、大型車に比べて小さな二輪車が遠くに見えるなど、運転中に起こる錯視・錯覚を具体的に紹介した、事故防止教育教材です。
5つの問題に回答を記入したのち、解説を読めば、「運転中の錯視・錯覚」について簡単に理解していただくことができます。
巻末には、「錯視・錯覚」をどれだけ意識して運転しているかを確認できるチェックリストを設けています。