先日、交通事故総合分析センターから最新の国際的な交通事故統計比較資料が公表されました。2014年データですが、これをみると西欧先進国と比べて日本の交通事故には2つの大きな特徴があることがわかります。
一つは、高齢者の交通死者割合が非常に高いということです。人口比率でみると日本の65歳以上の高齢者の割合は非常に高く26.0%ですが、交通死者に占める高齢者の割合はさらに高く54.5%と過半数を超えています。
一方、米・英・仏・独・スウェーデンなどの事故統計では、高齢者の死者数に占める割合は最高でも34%程度、低い国では15%程度です。
もう一つ特徴的な点は、歩行者の交通死割合が高いことです。欧米諸国の歩行中死者数は、多くても英国の25.0%、最低のフランスは14.7%ですが、日本は歩行中死者数が36.2%とフランスの2倍以上になっています。
ですから歩行者、とくに高齢歩行者との事故防止を考えるのが運転者の務めです。
ダイヤマークなど横断歩道を示す標識・標示や、学校・保育園ありなどの警戒標識を運転中にきちんと意識しているか、今一度反省しましょう。そして横断歩行者などの存在を常に予測する姿勢を持ってください。
(シンク出版株式会社 2016.6.29更新)
──監修:杉原厚吉(「計算錯覚学の構築」チームリーダー)
小冊子「錯視・錯覚に注意して事故を防ごう」は、下り坂が上り坂に見えるなど、運転中におこる錯視・錯覚を具体的に紹介した、事故防止教育教材です。
5つの問題に回答を記入したのち、解説を読んでいただくと、「運転中の錯視・錯覚」について簡単に理解していただくことができます。
巻末には、「錯視・錯覚」をどれだけ意識して運転しているかを確認できるチェックリストを設けています。