さる7月17日午後1時過ぎ、茨城県ひたちなか市のJR常磐線の踏切で、上りの特急列車と乗用車が衝突する事故がありました。
現場の踏切には遮断機と警報機はありましたが、運転していた75歳の女性は、「踏切を渡り終える前に遮断機が下りて立ち往生した」と話しているということです。
踏切事故の原因を見ていますと、まず第一にあげられるのは警報機が鳴っているのに強引に踏切に進入することです。
今回の事故も、「踏切を渡り終える前に遮断機が下りてきた」ということは、警報機が鳴っているのに強引に進入したのだとと思います。
もう一つは、遮断機が降りてきたために、中にとどまっているケースです。このコーナーで何度も指摘していますが、遮断棒は車で押せば上がる仕組みになっているものがあります。
ですから、踏切内で閉じ込められたら慌てずに遮断棒を押して脱出してください。万一、こうした装置が付いていなくて遮断棒を折ったとしても、電車と衝突する損害と比べるとはるかに安く済みます。
もちろん、踏切では警報機が鳴ったら絶対に進入しないようにすれば、閉じ込められることはありませんので、こちらの運転行動を徹底して遵守してください。
(シンク出版株式会社 2016.7.26更新)
──監修:杉原厚吉(「計算錯覚学の構築」チームリーダー)
小冊子「錯視・錯覚に注意して事故を防ごう」は、下り勾配の坂が上り坂に見えるなど、運転中に起こる錯視・錯覚を具体的に紹介した事故防止教育教材です。杉原厚吉・明治大学先端数理科学教授を中心とした計算錯覚学の研究成果を活かしています。
5つの問題に回答を記入したのち、解説を読んでいただくと、「運転中の錯視・錯覚」について簡単に理解していただくことができます。
巻末には、「錯視・錯覚」をどれだけ意識して運転しているかを確認できるチェックリストを設けています。