雪の坂道では、スタッドレスタイヤを装着していても、滑ったり雪にスタックして登り降りできない場所があり、チェーンが必要な場合があります。
国土交通省の調査によると、2015年度(平成27年度)に雪道で発生した自動車立ち往生事故
の原因のうち、冬用タイヤをつけていてもチェーン未装着のために起こったケースが全体の約半数に上ることがわかりました。
調査対象は、トラック・バスなど大型車を中心とした547台です。タイヤの種類が判明した399台のなかで、300台はスタッドレスなど冬用タイヤを装着していましたが、そのうち270台はチェーン未装着でした。
また、300台のうち79%はチェーンを持たず、10%は持っていても未装着でした。
立ち往生した場所は坂の勾配が5%以上の道が目立ち、全体の半数以上を占めています。
国土交通省は、「雪国走行の経験が長い運転者は坂道でチェーンを装着する習慣がついているものの、最近の運転者は手間がかかるからか装着意識が薄い」と警鐘をならしています。
大型車に限らず、雪の坂道を走行する可能性がある場合は、冬用タイヤを過信しないで念のためチェーンを搭載するように心がけましょう。
(シンク出版株式会社 2016.12.19更新)
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雪道を走行するにあたって、必要な知識が身についているか、また危険な行動をしていないかを「はい」「いいえ」でチェックすることにより、冬道走行の基本を学んでいただくことができます。