子どもとの事故に注意しよう
■歩行者、自転車の飛出しに注意
8月は1年中でも子どもの交通事故が多発する時期です。夏休み中の子どもが公園やレジャー施設から飛び出したり、子どもたちの自転車が事故にあいやすいので、生活道路などを走行するときは注意しましょう。
気をつけておきたいのは、路地などからの飛出しです。
夏休みは早朝でも「ラジオ体操」などに向かう子どもが見通しの悪い交差点から走り出してくることがあります。
夜間も、花火大会などの帰りに子どもが歩いていたり、自転車の集団に出会うことがあります。
「まさかこんな場所に、こんな時間に歩行者・自転車はいないだろう」と思い込まないで、常に危険を予測する意識で運転しましょう。
8月19日は「バイクの日」です。
8月は四輪車と二輪車との事故が増加する時期でもあり、この日を中心に安全活動が行われます。
二輪車と四輪車の事故パターンとしては、出会い頭、右折事故、左折事故などが目立ちます(※)。
子どもの事故防止と同様に、見通しの悪い交差点や死角の多い場所で、二輪車の飛出しなどの危険を予測する姿勢が重要です。
普段は交通が閑散としている場所でも、夏休みは行事などの影響があり、思わぬところから若者のバイクが飛び出してくることがあります。
また、前方から二輪車が近づいているのに気づかないまま安易に右折するときなどに事故が起こりやすいので、「二輪車に注意」と心に念じて安全確認に努めましょう。
(※イタルダインフォメーション№91より)
居眠運転の防止を徹底しよう
この時期は、暑さによる疲れや寝不足などから、運転中に眠気を催す危険が多くなります。
管理者は、朝礼や点呼時の観察を丁寧に行い、居眠運転の防止に力を注ぎましょう。
なお、居眠運転の原因は気候だけでなく、運転者の長時間運転や長時間労働が背景にあります。
運転者が過労のため正常に運転できない状態で事故に至っている例も多いのです。
過労による居眠運転が確認された場合は、運転者だけでなく使用者や管理者が下命・容認の責任を問われることもあります。
トラックやバスなど事業用自動車はもちろん、一般の事業所でも長時間労働を防止し、疲れている従業員に運転をさせることのないように配慮してください。
■こんな責任が問われています
パンの製造販売会社に勤める男性が通勤時に居眠運転に陥ったのは、長時間労働が原因だとして、2016年9月に男性の遺族が勤め先の会社に対して損害賠償を求め神戸地裁に提訴しました。
訴えによると、事故で死亡した28歳の男性は、深夜に単身赴任先の宝塚市にある店舗から車で自宅に帰宅する途中、ガードレールに衝突する事故を起こしました。
この男性の時間外労働は、毎月130時間を超えていて、最も多い月では186時間に達していたということです。
遺族は、会社側が長時間労働を放置し安全配慮義務を怠ったために事故が起こったとして、1億1,700万円の損害賠償を請求しています。
会社側は、「タイムカード上の時間すべてが労働時間とは言えず、長時間労働を強制したこともない。事故との因果関係はない」として全面的に争っています。
しかし、男性は「忙しすぎる」「疲れた」と家族や周囲に漏らし、約70キロあった体重が事故直前には53キロまで減っていたということです。働きすぎと交通事故には因果関係があるのか、訴訟の行方が注目されています。
夏バテを防ぐ工夫を
■食事で防ぐ夏バテ
夏バテは暑さによる体調不良で、自覚症状としては、「疲れがとれない」「食欲不振」「よく眠れない」などが生じてきます。
予防のポイントは、食事や生活習慣を見直すことです。
食事は、栄養バランスの良い食事をとることで、タンパク質と野菜、果物を積極的に食べましょう。
肉、魚、大豆製品などを一食に必ず一品とることと、ビタミン・ミネラルを含む野菜や果物も積極的に摂取してください。
■喉の渇きを感じる前に、早めの上手な水分補給
暑いときは大量に汗をかくため体内から水分と塩分が失われます。
失った水分と塩分を早めに補わないと、発汗が止まって、体温が高くなり、症状が進むと熱中症に陥ります。
熱中症までには至らなくても、喉が乾くということは、すでに脱水が始まって身体の水分バランスが崩れているということで、それだけ夏バテになりやすくなります。
そこで、日中は「早め・こまめ」の水分補給・塩分補給がポイントです。
少ない量でこまめにスポーツ飲料などを摂るようにするのが得策です。
また、汗をかいて水分が失われやすい外出(外歩き)や就寝の前は、コップ1杯程度の水分を事前に補給してください。
■秋の全国交通安全運動の準備
9月に実施される秋の全国交通安全運動(21日~30日)について準備を進めておきましょう。
交通安全運動では以下の4点が重要テーマとなります。
重点項目を参考にして、職場や営業所ごとの安全運転目標を考え、配布物・掲示物などを準備しておきましょう。
運動期間中には、交通安全ボランティア活動として、地元の高齢者交通安全教室の開催などに協力すると効果的です。交通安全教育に参加すると、運転者の安全運転意識の向上にも役立ちます。早めに地域の交通安全協会などと相談しておくとよいでしょう。
なお、上半期に違反や事故のあったドライバー・職場には、積極的に交通安全運動への参加を促しましょう。
「交通事故死ゼロを目指す日」は例年通り、9月30日(土)に設定されています。
■飲酒運転を根絶しましょう
悪質な酒酔い運転事故は減少していますが、平成28年の飲酒運転による死亡事故は213件発生して、前年より12件増え死者は221人となっています。
飲酒運転をした場合の死亡事故発生率は、それ以外の場合の8倍以上で危険性が非常に高いことには代わりありません。
なお、最近の酒気帯び運転摘発例では、前夜の飲酒が残る「酒気残り」運転が目立っています。
前夜の酒であっても「酒気帯び」には違いありませんので、免許停止・取消しは免れません。ビールなどの飲酒量が増える時期ですので、飲酒運転根絶に向けた指導の徹底が必要です。
■高速道路における停止車両に注意
高速道路上での事故・故障で、本線車道や路側帯に降車した人が、後続車にはねられるといった事故が依然として多発しています。
8月はレジャーや帰省などで高速道路を走行する車が増えますので、運転者に対して
「高速道路でも歩行者のいる可能性がある」
「停止車両の近くにいる乗員に注意する」
などを再度、指導しておきましょう。
また、自社の運転者が本線車道で故障・事故などのトラブルに見舞われた場合を想定し、次の3点も確認しておきます。
・発炎筒、停止表示器材の搭載をチェックする(車載場所を運転席に明記)
・トラブル発生時は後続車に注意して速やかに路肩側から降車し、ガードレールの外など、
安全な場所に避難する
・携帯電話で道路緊急ダイアル(#9910)に連絡するか、本線上の非常電話で道路管理
者に通報する
■炎天下の荷役作業に配慮しましょう
職場における熱中症死傷者には、20代・30代の事例もあります。35℃度以上の猛暑日には、WBGT値(★)について計測を行い、熱中症予防のため作業計画などを再検討しましょう。
炎天下での荷の積込み等はできるだけ避け、やむを得ない場合は、簡易な屋根・日除けテントの設置、スポットクーラーの使用、グループ作業の導入を検討してください。
猛暑になると、管理部門スタッフは涼しい事務所から出るのを嫌って現場のチェックをおろそかにしがちです。
暑い日こそ、管理者が頻繁に現場の巡視を行い作業者の立場に立って暑さを感じることで、熱中症を防止しましょう。
→ ★ WBGT値(暑さ指数)については、環境省の熱中症予防情報 を参照。
【トラック運送事業の運行管理者向け】
★熱中症関連サイト → 環境省のインターネットWEBサイト ・ NHKのWEBニュース
【バス事業の運行管理者向け】
■貸切バスの巡回指導・監査に備えましょう
2016年に発生した「軽井沢スキーバス転落事故」の事故防止対策委員会の答申を踏まえて、今年度から貸切バス事業者に対する監査・指導の仕組みが強化されました。
具体的には、国の監査機能を補完する民間の適正化実施機関が地域ブロック毎に設立され、2017年8月以降から指導を開始します。
適正化実施機関の職員が計画的に貸切バス事業者を巡回し、安全管理体制などについて評価し指導を行うことになります。
巡回指導には事前連絡があり、予め必要な書類等を用意して評価・指導を受け改善を目指すのですが、悪質違反などが発見された場合は運輸支局に通報され、監査を受けることになります。
とくに、重大な人身事故を起こしたバス事業者や悪質な違反があった事業者は、毎年1回以上の集中的な監査を受けることになる見通しですので、運行管理体制を見直し、適正化事業実施機関の指導に従って改善をすすめることが大切です。
・運行管理者の選任届 | ・事業報告書、事業実績報告書 | ・点呼記録表 |
・整備管理者の選任届 | ・乗務記録(運転日報) | ・運行記録紙 |
・乗務員(運転者)台帳 | ・乗務員教育記録簿 | ・乗務員の適性診断結果 |
・運行管理規程 | ・事故報告書/事故記録簿 | ・車両台帳 |
・運行指示書 | ・日常点検表 | ・定期点検整備記録簿 |
・整備管理規程 | ・点検整備計画表 | ・旅客等からの苦情の記録 |
・運送引受書(運賃上下限額) | ・支払手数料等の記載書類 | ・損害賠償保険,共済書類 |
・賃金台帳/タイムカード | ・就業規則(労働協約)書類 | ・36協定(時間外労働協定) |
※「旅客自動車運送事業者が管理すべき書類を定める告示」(国土交通省告示第1336号)を参考に作成しました
日 付 | 行 事 等 |
1日(火)~ 31日(木) |
・道路ふれあい月間──国土交通省では、毎年8月を「道路ふれあい月間」として、道路の正しい利用や道路愛護活動の推進に努めています。 「たくさんの 夢を抱いて 歩く道」 「この道で おはよう さよなら ありがとう」 |
1日(火)~ 31日(木) |
・食品衛生月間──厚生労働省では、毎年食中毒の発生しやすい8月に食品衛生管理の徹底を呼びかけています。 |
~ 9月30日 |
・平成29年度 港湾労働安全強調期間──港湾貨物運送事業労働災害防止協会による全国安全週間に呼応した活動。港湾内の事故防止活動を推進。 ●29年度のスローガン── 「組織で進める安全管理 みんなで取り組む安全活動 未来へつなげよう安全文化」 詳しくはこちらを参照してください。 |
1日(火) | ・夏の省エネ総点検の日 |
5日(土) | ・タクシーの日──大正元年(1912年)のこの日、東京有楽町で日本初のタクシー会社が設立され、メーターを装備したT型フォードで営業を開始しました。 |
5日(土)~ 6日(日) |
・第50回 二輪車安全運転全国大会(全日本交通安全協会)──全国47都道府県代表の二輪ライダーが三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットも集まり、安全運転技能と交通マナーを競います。 |
7日(月) | ・立秋 |
8日(火) |
・8月の製品安全点検日
──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。 |
9日(水) | ・第52回 交通安全子供自転車全国大会──児童・生徒の自転車事故防止活動の一環として全日本交通安全協会が主催。都道府県代表が安全運転を競い合います。於:東京ビッグサイト |
10日(木) | ・道の日──大正9年の同日にわが国で最初の道路整備の長期計画がスタートしました。 |
10日(木) | ・健康ハートの日──「ハー(8)ト(10)」の語呂合わせから日本心臓財団などが制定。心臓病に対する予防知識を啓蒙します。夏の間に心と体のチェックをして、心臓病の多発する冬に備えましょう。 |
11日(金) | ・山の日──国民の祝日の一つ。2016年(平成28年)1月1日施行の改正祝日法で新設されました。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨としています |
19日(土) | ・バイクの日──政府の交通安全対策本部が二輪車の交通事故撲滅を目的に制定しました。この日を中心に、全国で二輪車の安全運転講習会等が展開されます。 |
20日(日) | ・交通信号の日──昭和6年(1931)のこの日、東京銀座と京橋に3色の交通信号機が設置されました。 |
23日(水) | ・処暑 |
25日(金) |
・福岡海の中道大橋飲酒運転事故から11年──2006年8月25日、福岡市東区の海の中道大橋で、会社員の乗用車が飲酒運転をしていた福岡市職員(当時22歳)の乗用車に追突され海に転落、同乗していた3児が死亡する事故が起こりました。加害者は救助をする意思もなく逃走を図り、飲酒の事実を隠蔽しようとしましたが、危険運転致死傷罪と交通法違反を併合した懲役20年の刑が最高裁で確定しました。その後、「飲酒逃げ得」を防ぐため飲酒運転とひき逃げの罰則が強化されましたた。 |
25日(金)~ 31日(木) |
・道路防災週間──道路防災に関する広報活動が行われ、道路施設・設備点検、防災訓練などを行います。 |
27日(日) |
・平成29年度 第1回 運行管理者試験」 詳しくは、(公財)運行管理者試験センターのWEBサイトまで 。 |
30日(水)~ 9月5日(火) |
・防災週間──防災に対する知識を普及・啓発するとともに、防災行動へと結びつける取組みが全国各地で行われ、異常気象時における通行規制図などが自治体から配布されます(内閣府)。 |
~9月10日 |
・交通安全ファミリー作文コンクールの募集 (6月20日より募集、応募締切は9月10日──詳しくは、警察庁のWEBサイトを参照) |
~9月30日
|
・夏の省エネキャンペーン──6月より実施/エネルギー消費の大きなピークの季節を迎え、省エネキャンペーンが行われています。 |
8月中旬 | ・平成29年7月末までの交通事故発生状況発表(警察庁) |
8月下旬 |
・平成29年6月分 トラック輸送情報(国土交通省) |
◆8月の日没時間(国立天文台天文情報センターによる)
1日(火) | 福岡 19:19 |
大阪 19:01 |
東京 18:46 | 札幌 18:56 |
15日(火) |
福岡 19:05 | 大阪 18:46 | 東京 18:31 | 札幌 18:38 |
31日(木) | 福岡 18:46 |
大阪 18:26 |
東京 18:10 | 札幌 18:12 |
早めに点灯するあなたの配慮が交通事故を減らすことに結びつきます。遅くても日没の30分前にはぜひ点灯するとともに、歩行者の見落としなどを警戒して運転してください。
「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯を ドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。横浜の運動事務局の呼びかけに呼応して全国で点灯活動を展開する運転者が増えています。
また、JAF(日本自動車連盟)も早期ヘッドライト点灯キャンペーンを展開しています。
JAFのインターネットWEBサイトではライト点灯
に関して様々な情報提供が行われます。
※詳しくは JAF Safety Light のサイトを参照してください