夜間の歩行者事故を防止しよう
■15~64歳の歩行者事故は昼間の4倍以上
歩行者の死亡事故は夜間に多発しています。これから日没が早くなり、それだけ事故の危険が増加します。
歩行者の見落としによる事故を防止するため注意して走行しましょう。
年齢層別にみると、夜間よりも昼間の死亡事故が多いのは、14歳以下の子どもだけで、15歳~64歳の場合、昼間の事故死者61人に対して、夜間は265人と約4.3倍に激増します。
また、歩行者死亡事故の約7割を占める高齢者でも、夜間の割合が高く、昼間の345人に対して、夜間は658人で夜間における事故が約2倍も多発していることがわかります。
■上向きライトで死亡事故を防止
夜間の歩行者事故防止には、上向きライトを基本に走行することが非常に重要です。
茨木県警察本部の事故統計資料によると、平成28年中の夜間歩行者死亡事故は37件発生していますが、そのすべてが車のライトを下向きにして走行していた場合に発生しています。
このうち、車のライトを上向きにしていれば死亡事故を回避できたと思われるケースが19件(51%)あったと推測されています。
また夜間死亡事故37件のうち、歩行者が車の進行方向に対して右側から横断したケースが26件(70%)でした。
右から横断する歩行者を早く発見するためにも、対向車とすれ違った後などは、すぐにライトを上向きに戻すことを習慣づけましょう。
(※夜間データは茨城県警察本部「交通安全かわら版」平成29年1月号より引用させていただきました)
運転者の心身の健康をチェックしよう
10月1日から7日までは全国労働衛生週間が実施されます。健康管理や職場環境の改善など、労働衛生に関する意識を高めましょう。
今年度のテーマ標語は
『働き方改革で見直そう みんなが輝く
健康職場』
とくに、運転者の労働衛生としては、以下の点が問われています。
・長時間労働、長時間運転の是正
・メンタルヘルス対策
(ストレスチェック制度を含む)
・治療と仕事の両立支援の推進
・腰痛などの防止対策
■依存性チェックをしていますか?
メンタル面では、職場の人間関係などの問題とともに、最近、重視されているのが各種の依存症に対する対策です。アルコール依存症や薬物依存症などは精神疾患の一部であり、危険運転に結びつく恐れがありますので早期発見が求められます。普段から飲酒量が多いと評判の従業員や、酒の席で問題を起こしたことのある従業員についてはとくに注意しましょう。
また、ネットゲーム依存症、ネットゲーム障害という言葉が話題になっています。病気とは言えないかも知れませんが、依存度が高まると生活や業務の障害となります。
デスクワークであればスマホを手放せない従業員がいても、会社の業務に支障が出る程度ですみますが、運転者の場合は非常に危険です。実際にスマホのアプリに夢中になり運転中に画面を注視していた運転者が脇見運転をして歩行者を死亡させる事故が発生しています。
一般のドライバーだけでなく、バスやトラックなどプロドライバーの事故事例も目立っていて、バス会社のなかには、定期的にゲーム依存症のチェックをして個別指導をしているケースもあります。
■インターネット依存度チェックについては、こちらを参照
→ 久里浜医療センター のWEBサイト
目の健康を意識しよう
■見えにくい眼鏡をかけ続けない
10月10日は「目の愛護デー」。 目の健康について考えるよい機会です。
眼鏡をかけている人は、最近、少しものが見えにくいと感じることはありませんか? そんな人は自分の眼鏡をいつごろ新調したか確認しておきましょう。
何年も同じ眼鏡をかけていると、次第に経年変化で近視などの屈折度が変わり、乱視も強くなっていることがあり、メガネの度が合っていない可能性がありそうです。
眼鏡店に行って検眼してもらい、正しい屈折矯正をすればよく見えるようになる人も少なくありません。
また、若い頃は目がよくて眼鏡などいらなかった人も、老眼がでてきたためにどうしても文字が読みにくく、目が疲れることもあります。
恥ずかしがらずに、おしゃれな老眼鏡を上手に使って無駄な目の疲れを防いでください。
■中高年は目の健康診断を
運転時に「目がかすむ、見えにくい」と感じるような人は、目の病気が隠れていることもあるので注意しましょう。
とくに、50代~60代の人のなかには、
・白内障
・加齢黄斑変性
・緑内障
などに罹る人も増えてきますので、メガネがあっていないのではなく、目の病気の治療が必要な場合があります。
白内障の手術などは近年非常に進歩し、失敗も少なく手術後は非常によく見えるようになる人が多いといわれています。
眼科専門医を受診し、水晶体の検査、眼底検査などをして詳しくみてもらいましょう。
(※この記事は、日本眼科医師会のWEBサイト「目についての健康情報」を参照しました)
■車両の点検整備を徹底しよう
10月は先月に引き続き「自動車点検整備推進運動強化月間」です。
大型バスを運行するバス事業者や車輛総重量8トン以上の事業用トラックを50台以上使用する運送事業者は、大型自動車の重点的な点検を行い、その結果を報告するよう地元の運輸支局から注意喚起が行なわれます。これ以外の事業者も自主点検に取り組みましょう。
なお最近、大型車の車両火災や故障に関連した事故が多発しています。注意してください。
【こんな事故が発生しています】
●エンジン不具合から追突事故──2017年8月25日、徳島自動車道で高校生の乗るマイクロバスがエンジン不具合により長時間の路肩停止、その後居眠運転のトラックが追突し2名が死亡。
●大型バスのマフラーから発火── 2017年9月1日、浜松市の国道交差点で走行中の路線バス車両後部から出火しエンジンルームが燃焼。乗客と運転者にけがはなかったが、バスは車検を終えた直後だったので、バス会社は同型バス(2003年式三菱ふそうトラック・バス製造)計7台全車両の緊急点検を実施した。
●大型トラックがトンネル内で発火── 2017年9月2日、静岡県島田市の国道1号バイパス東光寺トンネル内で大型トラックから出火し、車両とトンネルの壁や通信ケーブルの一部を焼損した。けが人はなかったが、同バイパスの一部が約11時間にわたり通行止めとなった。
●大型バスがエンジンルームから発火し全焼── 2017年9月9日、愛知県岡崎市の新東名高速道路で大型バスのエンジンから火が出て車体を全焼した。車体後方から白い煙が出始め乗客は車の外に避難し全員無事。発火したバスは三菱ふそうトラック・バスの2014年11月製造。
【参考】
■大型自動車、事業用自動車の点検整備資料として、国土交通省のWEBサイトに啓発資料が
掲載されています。 こちらを参照 → 点検整備不十分・整備作業ミスに起因する事故
■三菱ふそう社製のバス火災防止緊急点検についても、国土交通省から通達が出ています。
こちらを参照 → バス車両火災事故防止のための緊急点検整備の実施について
【トラック運送事業の定期点検整備率が低い傾向にあります】
【トラック運送事業の運行管理者向け】
■違法な長時間労働は社名が公表されます
愛知労働局はさる9月4日、複数の運転者の時間外労働・休日労働に法令違反が有りながら改善がみられないとして、大宝運輸(本社・名古屋市)の社名を公表し、再度是正指導をしました。
同社では、過労死ラインと言われる月80時間を超える違法な時間外・休日労働が運転者の約2割、計84人で確認されました。
そのうち74人は月100時間超の残業をしていて、最長197時間のケースもあり、異例の社名公表による指導を実施しました。
改善基準告示違反、三六協定違反が繰り返されていると、このように労働局から厳しい指導を受けるだけでなく、運輸局の監査の端緒ともなります。
事業所の運転者の拘束時間・労働時間の管理を徹底しましょう。
【バス事業の運行管理者向け】
■貸切バスの覆面添乗調査を開始──国交省
貸切バス事業者に対する監査・指導の仕組みが強化されていますが、このほど国土交通省では、さらに輸送の安全確保状況を確認するため、調査員が一般の利用者を装って、実際に運行する貸切バスに添乗して行う調査活動を始めました。
調査は現場でしかわからない
などの法令遵守状況をチェックすることが目的で、国土交通省から業務委託を受けた運行管理者の資格を持つ民間機関の調査員が2人一組で乗客としてバスに乗り込みます。
添乗調査で法令違反の疑いが確認された貸切バス会社に対しては、後日、国による監査が行われます。管理者は点呼時に運転者への指導を徹底し、法令遵守事項の確認を怠らないようにしましょう。
日 付 | 行 事 等 |
1日(日)~ 7日(土) |
・全国労働衛生週間 平成29年度 労働衛生週間スローガン 「働き方改革で見直そう みんなが輝く 健康職場」 ※詳しくは、中災防のWEBサイトを参照してください。 |
9月~ 10月31日 |
・自動車点検整備推進運動強化月間 ──9月~10月の2か月間、国土交通省が点検・整備の重要性を呼びかけています。 |
1日(日)~ 31日(火) |
・体力づくり強調月間──スポーツ庁が、国民の健康・体力づくりを推進するため、行事や広報活動などを通じて啓蒙キャンペーンを行います。 |
1日(日)~ 31日(火) |
・全国不正軽油撲滅強化月間──軽油に灯油・重油等を混入する行為など悪質な脱税行為を防ぐキャンペーン月間(軽油引取税全国協議会が主導) |
3日(火) |
・全国トラック運送事業者大会(第22回)──全日本トラック協会主催、 全国のトラック運送事業者約1,500人が参加。 於:宮城県仙台市/仙台国際センターなど |
4日(火) |
・中秋の名月 |
7日(土) |
・盗難防止の日──(一社)日本損害保険協会が提唱。 「盗(10)難(7)」からの語呂合わせで自動車盗難や車上ねらい、住宅侵入盗などに対する防止策を呼びかけています。 |
7日(土)~ 8日(日) |
・第48回全国白バイ安全運転競技大会──ひたちなか市の安全運転中央研修所にて。 |
8日(日) |
・寒露(かんろ) |
9日(月) |
・体育の日 (10月の第2月曜日) |
9日(月) |
・トラックの日── 「トラック」の「ト(10)」と「ク(9)」を取って制定。各地のトラック協会でトラック輸送への理解を深め安全を推進する各種行事を開催しています。 |
10日(火) |
・目の愛護デー ──運転者にとって、目の健康はとても重要です。この日を機会に目を大切にすることについて考えてみましょう。 |
10日(火) |
・10月の製品安全点検日 ──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。 |
11日(水) |
・安全、安心なまちづくりの日/全国地域安全運動(毎年10月11日~20日)──地域社会における安全を守るため、防犯活動の推進に向けた啓発活動を行います。 |
12日(木) |
・石油機器点検の日 |
15日(日) |
・助け合いの日──全国社会福祉協議会により制定。日常生活での助け合いや、地域社会へのボランティア活動参加を積極的に呼びかけます。 |
16日(月)~ 12月7日 |
・平成29年度(第2回)運行管理者試験 おまかせ申請受付期間
通常の書類申請受付は11月10日から。詳しくは、運行管理者試験センターのwebサイトを参照してください。 |
17日(火) |
・運送事業の安全に関するシンポジウム 会場:昭和女子大学人見記念講堂(東京都世田谷区太子堂1) 主催:国土交通省 入場無料/定員1,000名 同省のWEBサイトより申込み。 |
17日(火)~ 23日(月) |
・薬と健康の週間──「医薬品を正しく使用すること」の大切さを訴える週間。車やフォークリフトなどを運転をするときには、薬の副作用などを確認するとともに、必要な薬は正しく服用しましょう。 |
21日(土) |
・あかりの日──1879年にトーマス・エジソンが京都八幡町(現・八幡市)産の竹を使って白熱電球を完成させた日にちなんでいます。 車のライトを点検し、早めのライト点灯を心がけましょう。 |
21日(土)~ 22日(日) |
・第49回 全国トラックドライバー・コンテスト 主催:全日本トラック協会 於:自動車安全運転センター 安全運転中央研修所 |
23日(月) |
・霜降(そうこう) |
23日(月)~ 29日(日) |
・高圧ガス保安活動促進週間──経済産業省・高圧ガス保安協会などが、 高圧ガスの保安活動の促進を呼びかけます。 高圧ガス保管者は、点検・確認を徹底して高圧ガスによる災害を防ぎましょう。貨物運送事業者は、タンクローリー、バラ積みトラック等における高圧ガス移走時の保安対策を進めてください。 |
24日(火) |
・第12回NASVA安全マネジメントセミナー 開催時間/11:45(受付開始)~17:10 東京国際フォーラム ホールC(東京都千代田区丸の内3丁目5−1) 「安全運行のための健康管理 」他 |
25日(水) |
・交通事故総合分析センター設立25周年記念フォーラム 開催時間/10:30~17:00 場所/ベルサール神田 (東京) 設立25周年を期して、例年の研究発表会に加えてパネルディスカッション、基調講演などを加えた催しとなる予定です。 |
31日(火) |
・ハロウィン──古代ケルト人に由来すると言われる魔除けのお祭。
近年日本でも仮装、コスプレ祭りとして人気を呼び、経済効果が高まっていますが、ドライバーは夜間に若者の歩行者等が都心部で増加すること等に十分気をつけましょう。 |
10月中旬~下旬 | ・平成29年9月末における交通死亡事故発生状況(警察庁) |
10月~11月下旬 |
・過重労働解消のためのセミナー(厚生労働省委託事業)──長時間労働削減対策などに必要な知識やノウハウ、取り組み事例の紹介。各都道府県別に各回100名定員で開催(大都市圏は複数回実施)されます。 詳しくは、過重労働解消セミナー運営事務局のWEBサイトを参照してください。 |
10月~12月中旬 |
・荷主等の事業場の担当者への安全衛生教育講習会
──(一社) 日本労働安全衛生コンサルタント会・各都道府県支部 |
10月下旬 |
・平成29年8月末の労働災害速報(陸上貨物運送事業労働災害防止協会) ・平成29年8月分 トラック輸送情報(国土交通省) |
◆10月の日没時間(国立天文台天文情報センターによる)
1日(日) | 福岡 18:03 |
大阪 17:43 |
東京 17:25 | 札幌 17:17 |
15日(日) |
福岡 17:45 | 大阪 17:24 | 東京 17:06 | 札幌 16:53 |
31日(火) | 福岡 17:28 |
大阪 17:06 |
東京 16:47 | 札幌 16:28 |
秋の日はつるべ落としと言われます。
急速に日が暮れるので、人や自転車の多い夕刻は事故が起こりやすい時間帯となります。
早めに点灯するあなたの配慮が交通事故を減らすことに結びつきます。遅くても日没の30分前には、ぜひ点灯するとともに、歩行者の見落としなどを警戒して運転してください。
「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯をドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。横浜の運動事務局の呼びかけに呼応して全国で点灯活動を展開する運転者が増えています。
また、JAF(日本自動車連盟)も早期ヘッドライト点灯キャンペーンを展開しています。
JAFのインターネットWEBサイトではライト点灯
に関して様々な情報提供が行われます。
※詳しくは JAF Safety Light のサイトを参照してください