最近、他車の行動に腹を立てた車が乱暴な運転をして、事故やトラブルに結びついた例がよく報道されています。
皆さんも、危険な割込みなどをする車がいた時、カッとして抜き返してやろうかと感じることはありませんか?
誰でもこうした心理に陥る危険性があることが、交通心理学の研究でも明らかになっています。
小川和久東北工業大学共通教育センター教授らは国際交通安全学会の研究調査(※)で、「安全運転に努めているという自負心が、優先関係やルールを無視する他者に対して、一層不愉快な感情を抱かせる」と指摘し、普段は車間距離を保ち安全運転に努めているプロ運転者が、かえって心理的ストレスにあいやすく、カッとしてあおり運転などに走る危険がある実態を報告しています。
調査研究では、ストレスを防ぐ対処の一例として次のようなプロ運転者の名言を紹介しています。
「自分の前の空間を自分のものと考えているから、侵入されたと感じる。実際には公共の空間であり自分が保有する空間ではない。そのように考えるなら、前に割り込む他車に対して『どうぞお入り下さい』というゆとりある感情を抱くことができる」
私たちも「道路は公共の場所」という基本理念を思い起こし、他車の運転に惑わされないように心がけましょう。
(シンク出版株式会社 2017.10.27更新)
※「ドライバーの感情特性と運転行動への影響」国際交通安全学会研究プロジェクト №H076より
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