最近、路線バスが降車して転倒した乗客をひいた事故や、大学送迎バスが横断歩行者をはねた事故などがニュース報道されています。
軽井沢スキーバス事故が発生して以来、バスの運転に対する社会の目が厳しくなり、それだけ報道も増えているのではないかと思いますが、皆さんは、路線バスの人身事故でもっとも多いのは、歩行者をはねる事故ではなく、車内事故であることをご存知ですか?
車内事故は、バス運転者の発進の仕方などが乱暴で起こることがある一方で、他車の割込みなどに驚いて急停止したり急減速したため、車内で高齢者が転倒しけがをするケースも少なくありません。
とくにバス停から発進して加速しようとしたときにバスの前に割り込まれたり、青信号で発進して加速した直後に前車に急減速されたりすると、反動で乗客に大きな力がかかります。バス運転者にとって他車のこうした行動は悩みの種だということです。
私達も、バスには転倒すると大怪我をする高齢者がたくさん乗っていることを常に念頭において、バスの直前に割り込んだり、バスとの車間距離がないのに合図もなしに急に減速して左折するような行動を慎しみましょう。
(シンク出版株式会社 2017.11.7更新)
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