■睡眠不足の危険、緊急時の安全な対応など
国土交通省では、睡眠不足による居眠重大事故や緊急時の安全対応が不十分なことによる事故が多発している状況を踏まえ、このたび旅客自動車運送事業者が運転者に対して行う「指導及び監督の指針」を改正しました。
事故や車両故障、災害発生時など緊急事態における的確な対応や「睡眠不足」「薬の副作用」等の危険、改善基準告示に関する運転者教育を徹底し、指導体制の強化を図ります。
■施行時期について
★改正指針を平成30年6月1日に公布、同日施行
旅客自動車全体の項目 | 改 正 に よ る 追 加 内 容 等 | |
① |
事業用自動車を運転する場合の 心構え |
・事業用自動車による交通事故の統計を説明するなどして社会的影響を理解させる |
② |
事業用自動車の運行の安全及び 旅客の安全を確保するために 遵守すべき基本的事項 |
・日常点検不備による事故や、交通事故による事業者・運転者への処分、加害者や被害者への心理的影響の大きさ、法律遵守の重要性などを理解させる |
③ | 事業用自動車の構造上の特性 |
・自らが運転する車の制動性能などを確認させ、構造上の特性が車両によって異なることを理解させる |
④ |
乗車中の旅客の安全を確保する ために留意すべき事項 |
(改正なし) |
⑤ |
旅客が乗降するときの安全を確 保するために留意すべき事項 |
(改正なし) |
⑥ |
主として運行する路線若しくは 経路又は営業区域における道路 及び交通の状況 |
(改正なし) |
⑦ |
危険の予測及び回避並びに緊急時における対応方法 |
・強風、豪雪等の悪天候が運転に与える影響への理解 ・危険予測、回避のため指差呼称を行う習慣を体得させる ・事故発生時、災害発生時その他緊急時における対応方法について事例を説明する事等により理解させる |
⑧ |
運転者の運転適性に応じた安全 運転 |
・(適性診断)その他の方法により運転者の適性を把握する |
⑨ |
交通事故に関わる運転者の生理 的及び心理的要因及びこれらへ の対処方法 |
・睡眠不足、医薬品等の服用に伴い誘発される眠気が事故を引き起こす恐れがあることを理解させる ・改善基準告示に基づく勤務時間、乗務時間を理解させる |
⑩ |
健康管理の重要性 |
・心理的な負担の程度を把握するための検査結果等にも基づいて心身の健康管理を行うことの重要性を理解させる |
⑪ |
安全性の向上を図るための装置 を備える事業者自動車の適切な 運転方法 |
・安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車を運行する場合は、装置の機能への過信や誤った使用方法が事故の要因になる恐れがあることを説明すること等により、適切な運転方法を理解させる(貸切バスのみが対象となっていた項目を全旅客自動車運転者対象に戻す) |
貸切バス対象の項目 |
改 正 に よ る 追 加 内 容 |
|
① | ドライブレコーダーの記録を利用した運転者の運転特性に応じた安全運転 | (改正なし) |
②
|
ドライブレコーダーの記録を活用したヒヤリ・ハット体験等の自社内での共有 | (改正なし) |
上記内容について運転者に対する指導・監督を毎年実施し記録を3年間保存する
※国土交通省の「指導・監督実施マニュアル」は → こちらを参照
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■2018年6月改正の指導・監督指針に完全準拠
バス運転者に対して、幅広く実践的な教育を実施できる最新の資料を網羅した「バス安全運転教本」を発行いたしました。
本教本は2編で構成されており、第1編は一般的な指導・監督の指針の13項目に沿った内容となり、合わせて高速道路の安全知識や異常気象時の運転等、バス運転者として必要な知識を詳しく解説しています。第2編は事故惹起者に対する指導・監督の指針7項目に沿った内容となっています。
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※本教本は中国バス協会が令和2年3月に改定した「バス安全運転教本」が
元になっています。
■2018年6月1日改正の新指針に準拠
指導用テキスト「バス運行管理者のための指導・監督ツール」は、安全運転指導をする際の資料として、実際に運転者に見せる「運転者用資料」を39種類収録したバス運行管理者のための指導教材です。
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