さる5月21日午後8時ごろ、北海道室蘭市内の道路を横断していた高齢女性が、交差進行してきた乗用車にはねられ死亡する事故がありました。
事故現場は片側2車線の直線道路で、街灯が設置されており夜間でも見通しが比較的よい区間でしたが、横断歩道や信号機は設置されていませんでした。
事故を起こした運転者は、「対向車のヘッドライトに気を取られて歩行者を見落としていた。衝突するまでわからなかった」などと供述しています。
この供述をみる限り、対向車のヘッドライトに眩惑されて道路を横断してきた歩行者がまったく見えなくなる「蒸発現象」が発生していたのではないかと思います。
夜間、道路を横断している歩行者は、ただでさえ見えにくいのですが、ライトを点灯した対向車が来ていると、本当に見えにくくなります。
とくに、ヘッドライトをハイビームにしていると歩行者はほとんど見えなくなりますので、対向車が来たら素早くロービームに落として、横断してくる歩行者に注意してください。
(シンク出版株式会社 2018.5.28更新)
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