平成30年10月22日(月)に岡山市のターミナルスクエアにおいて、「未来へつなぐ交通安全教育を考える」をテーマに、第22回交通大学が開かれました。
交通大学は、「マイクロメイト岡山株式会社」と「NPO法人 安全と安心 心のまなびば」が主催する講座で、昨年場所をターミナルスクエアに移してリスタートし、今回は2年目となります。
今回の交通大学は、約130名が受講し、以下に紹介する特別講演ならびに4つの講座を熱心に受講されました。
まず、交通大学のコーディネーターである川崎医療福祉大学名誉教授であり、NPO法人「安全と安心 心のまなびば」の理事長である金光義弘先生から開催に当たっての挨拶がありました。
そのなかで、ノーベル医学生理賞を受賞された本庶佑先生の「未来への投資がなされる国は栄えるが、儲かるものへの投資や費用対効果が重視される国には未来はない」と言われた言葉を引用され、「明日のより良い交通社会を目指して」愚直に歩む交通大学に一層の支援を賜りたいと述べられました。
※過去の交通大学について詳しくはマイクロメイト岡山㈱のWEBサイトへ
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──和田 隆広(立命館大学情報理工学部教授)
和田氏は、「自動運転になったら人間はいらないという印象を受けるが、現在のレベルでは完全な自動運転レベルにはないし、自動運転になってもシステムが故障したりすると人間が関わっていくことになる。そのときに、ヒューマンエラーが起こりやすくなるので、そういうときの研究も必要」など、自動運転になっても人間側のエラーを防止する必要があることを説明しました。
──川島 幸夫(川島眼科院長)
川島氏は、高齢者に多い緑内障、白内障、加齢黄斑変性症など目の病気について、症状の説明や治療法の解説をしました。
そのなかで、視力は出ているが視野が一部欠けているなど運転んいとって危険な症状もあり注意が必要という説明をして、高齢者講習に視野の検査が義務づけられたことは非常に良かったという説明をしました。
~交通事故統合データの分析から分かること~
──西田 泰(公益財団法人交通事故分析センター研究部 研究
第一課長)
西田氏は、交通事故分析センターのデータ分析結果に基づいて、高齢運転者が信号無視の違反をすることがあるが、実は前が見えていないことがある、わき見運転による事故を起こす者は繰り返して起こす確率が高いなどの分析結果を報告しました。また、運転を比較する場合には、比較の対象は他人ではなく、昔の自分と比較してどのように変化しているかが重要などを説明しました。
~幅広い教習・講習」メニューで独自性を~
──谷口 嘉男(四日市自動車教習所 YDS人と車学習センター
センター長)
谷口氏は、新規に運転免許を取得者数が減少しており、自動車教習所としては、地域の交通安全に役立つプログラムに取り組んでいることを紹介しました。
たとえば、ポルトガル語の字幕付き学科教習パワーポイントを作成して外国人の免許取得をサポートしたり、地域の子ども達を集めてキッズライディングスクールを開催したり、高校生相手にフォークリフトなど産業機械講習を実施しているなどの事例を紹介しました。
第22回交通大学データ
・日 時 平成30年10月22日(火)10:30~16:20
・会 場 ターミナルスクエア
・主 催 マイクロメイト岡山株式会社(木村憙從代表取締役会長)
・コーディネーター 金光義弘(川崎医療福祉大学名誉教授・NPO法人 安全と安心 心のまなびば
理事長)
・プログラム
第1講座 「ドライバーのヒューマンファクタと自動運転」
──和田 隆広(立命館大学情報理工学部教授)
第2講座 「視覚機能と運転」
──川島 幸夫(川島眼科院長))
第3講座 「交通事故に遭うこと、交通事故を防ぐこと」
──西田 泰(公益財団法人交通事故分析センター研究部研究第一課長)
第4講座 「今 自動車教習所がすべき取り組み」
──谷口 嘉男(四日市自動車教習所 YDS人と車学習センター センター長)