2019年あけまして、おめでとうございます。
1月には、事業所全体で今年1年間の無事故・無違反の決意を新たにするとともに、運転者それぞれに安全運転の誓いを立ててもらうことが重要です。
とくに前年に事故や違反のあった職場、運転者には、この機会にもう一度、安全運転への決意を新たにしてもらいましょう。
なお、厳冬期に入り、冬型事故の多発する時期ですので、チェーンなど足回り準備と雪道の安全指導を徹底してください。
また、健康面でも管理・指導をきめ細かく行いましょう。
今年1年の無事故・無違反を誓いましょう
■昨年の反省を踏まえて考える
今年1年、安全運転を続けて無事故・無違反を達成することを誓い、具体的な安全運転目標を立てましょう。
安全運転の目標は、
・見通しの悪い場所では必ず停止して確認
・横断歩道では歩行者を優先する
・3秒の車間距離(時間)をとる
・日没の30分前にライトを点ける
・運転中、携帯電話を絶対使わない
など、自分自身に守らせる実践的な目標を設定することが大切です。
とくに、2018年に交通違反や事故などを経験した人は、そうした違反や事故を二度と起こさないように目標を考えてください。
安全運転目標を事業所のロッカーなどに掲示するのもいいでしょうが、安全運転宣言カードなどにしてダッシュボードに貼ったりすると、いつも目に入るので効果的です。
■全国交通安全年間スローガンなども参考に
よい目標が思い浮かばないという方は、今年1年間(2019年)全国で使用する、「全国交通安全年間スローガン」などを参考にするとよいでしょう(全日本交通安全協会と毎日新聞社の共催により毎年募集)。
全国から運転者や一般の大人・子どもが応募して約5万2000点から選抜されたもので、運転者や歩行者が守るべき基本的な安全行動を上手なキーワードでまとめていますので、覚えやすく参考になります。
こうしたスローガンの中から気にいったものを選んで、車などに貼ってもよいのです。
●2019年使用の交通安全スローガン
(運転者を対象にしたものの入選作)
冬道走行指導を徹底しましょう
■全車チェーン規制などへの対応を指導しておこう
1月は積雪や路面凍結などにより、スリップ事故が起こりやすい時期です。2018年1月上旬は、九州でも降雪があり、長崎で7センチ、南阿蘇で3センチの積雪を観測、通行止めも多発しました。
雪国ではすでにスタッドレスタイヤなど冬用タイヤに履き替えて走行していると思いますが、今年度は国土交通省等の方針により、突発的な豪雪による道路上の立ち往生を防ぐため、
●冬用タイヤを含む全車両へのチェーン規制
●予防的な通行止めによる集中除雪
●広域の迂回路設定
などが地域を指定して実施されます。
2018年の1月~2月にかけて豪雪により各地で長時間の交通滞留が発生したことを踏まえ、総合対策がとられることになりました。
このことをドライバーにもよく指導するとともに、管理者も以下の点を踏まえてタイヤに適合したチェーンの購入、チェーン装着経験のある者のリストアップなどを行っておきましょう。
(※今年度は高速道路7区間、国道6区間の計13区間の道路を指定。例)福井県の国道8号など。
気象庁が特別警報や緊急発表を出すような異例の降雪時に全車チェーン規制が実施される)
■スタッドレスタイヤも滑ることを指導しておこう
スタッドレスタイヤを装着している車はノーマルタイヤのように滑ることは少なくなります。
しかし、雪質などによって走行条件が変化しますので過信は禁物です。
以下のような場所では、スタッドレスタイヤでも、細心の注意が必要なことを強調しましょう。
・橋の上、高架道路の上
・5%以上の勾配がある坂道
・トンネルの出入り口
・交差点、踏切の手前(皆がブレーキを踏み
路面の雪がツルツルになる場所)
・川沿いの道、海沿いの道
・昼間でも日陰になりやすい場所
・崖水などが路面に降下し、側溝のない場所
■自転車・バイクのスリップを予測させよう
また、雪が降ると自転車や二輪車もスリップしやすくなります。
スリップすると四輪車以上にコントロールを失いやすく転倒事故などに発展することを意識し、自転車や二輪車の後方を走行する場合は、この時期はとくに注意が必要であることを指導しましょう。
バイクや自転車の転倒に驚いて急ブレーキを踏むと、自分がスリップしてしまうこともあります。あらかじめ危険を予測することが大切です。
さらに、道路脇に雪かきの雪を寄せた雪山があると、それが死角を作るため、自転車が隠れることもあります。
深い雪道でもバイクや自転車がいないとは限らないことを意識し、それらの存在を予測して運転することが重要であると指導しましょう。
厳冬期の健康管理を徹底しよう
年末年始の飲みすぎ、食べ過ぎなどで胃腸が弱っていたり、病気にかかりやすくなっていませんか。
持病のある人は寒い時期の体調管理にはとくに注意が必要です。
安全運転にとって健康保持が必要条件ですので、健康管理を徹底したい時期です。
■血圧の高い人は温度差に注意を
気温が下がると血管が収縮し血圧は上昇しがちになります。
高血圧気味の人はヒートショックに注意しましょう。
入浴時には、脱衣場を暖かくして、温度差を少なくするなどの工夫をします。
また、温かい車内から急に寒い外にでるときも注意が必要です。しっかりと防寒着などを着て身体を守りましょう。
なお、高血圧で医師から要観察などの診断を受けている人は、事業所での出発前に毎日血圧を計測しましょう。
運行中はサービスエリアなどで定期的に血圧を計測するとともに、血圧が高い場合は無理をしないで、少し休憩してから再計測して出発するなど、行動に余裕を持つようにしてください。
■薬を飲むときは副作用を警戒
風邪をひいていて市販の風邪薬を飲む人は、眠くなる成分が入っていることがあるので、副作用への注意が必要です。
風邪薬や鼻炎カプセルの中に含まれる「抗ヒスタミン剤」という成分は、鼻水やくしゃみなどの抑制に効果的ですが、中枢神経系(脳)で神経伝達物質に作用するため、眠くなる副作用があります。
また、鎮痛剤や解熱剤成分の中にも眠気を誘う副作用のあるものがあります。
薬を飲むほどの風邪の場合は、運転を交代してもらい早く帰宅して安静にしましょう。
早く回復して運転時にはなるべく薬を服用しない配慮が重要です。やむを得ず薬を飲む場合は、注意書きをよく確認してください。
■運転記録証明書を根拠にする
昨年1年間、無事故・無違反を達成し、安全活動にも尽力した事業所の努力をたたえて、年始の安全祈願大会などの折に表彰しましょう。
また、長年無事故・無違反を続けている優良ドライバーの表彰も全体の安全運転意識を高める上では効果的です。
事故・違反の実態を知るためにも、自動車安全運転センターの発行する運転記録証明書を取得すると効果的です。
表彰を根拠に委任状をもらって、全員の証明書を取得すると、違反常習者などのチェックも行うことができます。
昨年の12月10日から今月10日までは、年末年始の輸送等に関する安全総点検実施期間です。
自主点検等を通じた安全性の向上を図るとともに、輸送安全等に対する意識の向上を図るための点検運動です。
国土交通省では総点検実施状況の把握のため、トラック・バス・タクシーなど業態別に自主点検表(国交省のホームページからダウンロード)でチェックし、所管運輸支局の安全総点検自動車運送事業者等担当宛に提出を求めています。
自主点検を実施した事業所は管轄の運輸支局まで送付しましょう。詳しくは同省のWEBサイトを参照してください。
自主点検表(トラック)
自主点検表(バス)
年末年始など長期休暇のあとは心身がなまっていて、うっかり事故などが多くなります。
とくに、事業用自動車の運転者の場合は、休み明けに事故が多発するという統計があり、注意が必要です。
休み明けから事故時点までの乗務距離の合計でも、概して、乗務距離が短い間に事故が多溌しています。
つまり、運転業務についてある程度走行して時間が経つと感覚が戻ってきて、かえって事故が減るようです。
休暇明けは、とくに早めの危険予測と安全確認に心がけるように指導しましょう。
心身がなまっていると、とっさの反応や操作が遅くなる危険があります。先の状況まで早めの危険予測を行うとともに、念入りな安全確認をして「見込み運転」を防ぎ、急に反応をしなくてもすむような運転をすることが重要です。
※「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会報告書(平成29年度)/国土交通省」より
日 付 | 行 事 等 |
1日(火) |
・元日 |
2日(水) |
・初荷 |
4日(金) |
・官庁仕事始め |
6日(日) |
・小寒 |
7日(月) |
・七草 |
8日(火) |
・1月の製品安全点検日 経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。第2火曜日は「火二(ひに)注意」して、一酸化炭素中毒事故や漏電による発火その他の製品事故を防ぎましょう。 |
10日(木) |
・110番の日──毎年1月10日は「110番の日」。110番は市民生活の安全に関する相談窓口です。なお、警察庁は、緊急性のない場合は相談専用ダイヤルである「#9110」番を利用するよう呼びかけています。 |
~10日(木) |
・第58回「正しい運転・明るい輸送運動」 全日本トラック協会主催──詳しくは、全ト協のWEBサイトを参照 。 |
~10日(木) |
・年末年始の輸送等に関する安全総点検(2018年12月10日から) ──国土交通省は毎年、輸送機関に対して自主点検等を通じた安全性の向上を呼びかけています。 (※詳しくは、同省のWEBサイトを参照してください) |
14日(月) |
・成人の日(第2月曜日) |
~ 15日(火) |
・平成30年度 年末年始無災害運動 ──中央労働災害防止協会が主唱する安全運動。今年で48回目を迎えます。共通標語は、 「みんなで感謝の総点検 笑顔で迎える 年末年始」 (※詳しくは、中災防のWEBサイトを参照してください) |
~ 15日(火) |
・平成30年度「建設業年末年始労働災害防止強調期間」 ──建設業労働災害防止協会が、災害の多い年末年始に積極的な災害防止運動を展開します。交通労災としては、現場送迎時の事故防止、路面凍結等によるスリップ事故の防止などを強調しています。 スローガン「無事故の歳末 明るい正月」 |
~ 15日(火) |
・年末年始 港湾無災害強調期間 ──港湾貨物運送事業労働災害防止協会による年末年始の事故防止活動。安全・衛生活動の「見える化」など、創意工夫をこらした活動を推進します。 |
15日(火) |
・軽井沢町スキーバス転落事故から3年──2016年の1月15日午前2時、長野県軽井沢町において41名を乗せた大型スキーバスが路外に転落、乗客・乗員計15人が死亡し、25人が重軽傷を負いました。この事故を契機に貸切バスへの安全規制対策が強化され、多くの法令が改正されましたが、依然として貸切バス業界を取り巻く環境が厳しく、点呼未実施などの法令違反が目立っています。 |
15日(火)~ 21日(月) |
・防災とボランティア週間──「阪神・淡路大震災」を踏まえ、平成8年より設けられました。 |
17日(木) |
・防災とボランティアの日──1995年の当日発生した阪神・淡路大震災を契機として災害時におけるボランティア活動および自主的な防災活動への認識を深める目的で制定されました。 |
17日(木) |
・第59回 交通安全国民運動中央大会(東京) 主催:全日本交通安全協会 於:文京シビックセンター大ホール (前日の16日には、ホテルグランドヒル市ヶ谷で分科集会も開催) ※詳しくは、全日本交通安全協会のWEBサイトを参照してください。 |
19日(土) |
・大学入試センター試験(~20日) |
20日(日) |
・大寒 |
24日(木) |
・法律扶助の日 ──1952年(昭和27年)のこの日、法律扶助協会が設立されたこと記念して制定。同協会は2006年に改組され「日本司法支援センター(法テラス)」となり、経済援助を含めた法的支援を行う中心的な機関として活動しています |
24日(木) |
・自動車事故防止セミナー(中部運輸局) 於:愛知県産業労働センター ウインクあいち 2階大ホール 時間:13:00~17:00(12:00開場) 定員:600名(申込順) 詳しくは、同運輸局のwebサイトを参照。 |
25日(金) |
・日本最低気温の日──1902年(明治35年)、北海道の旭川地方気象で-41.0℃という日本の最低気温を記録したことによります。上空の強い寒気の通過と放射冷却現象によるものと考えられています。 |
26日(土) |
・パーキングメーターの日──1959年(昭和34年)に東京都が日比谷と丸の内に日本初のパーキングメーターを設置したことによります。料金は15分単位で10円でした。当時は割高感があり、あまり利用されませんでした。 |
~31日(木) |
・陸上貨物運送事業「年末・年始労働災害防止強調運動」
──陸上貨物運送事業労働災害防止協会(陸災防)の主唱する労災防止運動です(2018年12月1日から)。 交通災害や荷役作業時における墜落・転落災害などの防止を推進します。詳しく陸災防のWEBサイトを参照してください。 |
1月上旬 | ・平成30年12月末における交通死亡事故速報(警察庁) |
~1月 |
・貸切バス、観光バスを対照とした街頭監査 毎年、年末年始にかけては貸切バス・観光バス発着場などにおける街頭監査が実施されます(重大違反が判明した場合はバスの運行を直ちに停止)。平成29年度より貸切バスでは随時、覆面添乗調査も実施されています。 |
1月下旬 |
・平成30年11月末 労働災害速報(陸上貨物運送事業労働災害防止協会) ・平成30年11月分 トラック輸送情報(国土交通省) |
◆1月の日没時刻(国立天文台天文情報センターによる)
1日(火) | 福岡 17:21 |
大阪 16:58 |
東京 16:38 | 札幌 16:10 |
15日(火) |
福岡 17:33 | 大阪 17:10 | 東京 16:51 | 札幌 16:24 |
31日(木) | 福岡 17:48 |
大阪 17:26 |
東京 17:07 |
札幌 16:45 |
1月は、冬至の時期にくらべて少し日没が遅くなってきますが、冬型の気圧配置によって夕方にしぐれたり、雪が降ることが多く、あっという間に周囲が暗くなります。引き続き、早めのライトが重要な季節です。
歩行者や自転車との事故防止のために、点灯して早期発見する意識を持ってください。
早めに点灯するあなたの思いやりが、交通事故減少に結びつきます。遅くても日没の30分前には、ぜひ点灯するとともに、夕刻に増える交通参加者を警戒して運転してください。
「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯をドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。全国で点灯活動を展開する運転者が増えています。
また、JAF(日本自動車連盟)も早期ヘッドライト点灯キャンペーンを展開しています。
JAFのインターネットWEBサイトではライト点灯
に関して様々な情報提供が行われます。
※詳しくは JAF Safety Light のサイトを参照してください