今月は、こよみの上では春と言っても、まだ全国的に寒気の影響で降雪や道路の凍結が心配される時期です。
北海道・東北、北陸・山陰などの豪雪地域はもちろん、雪の少ない地域でも、朝晩の凍結には十分に注意して、スリップや雪道でのスタックによる立ち往生事故を防ぎましょう。
気象情報、運行経路情報の収集を綿密にして、運転者への連絡も正確に行ってください。
業務は年末年始の繁忙期を過ぎて一段落する時期です。
運転者には日頃の運転経験を踏まえて自己反省を促し、危険な運転習慣を矯正するように促してはいかがでしょうか?
また、多量の飲酒習慣が生活習慣病につながる危険についても指導しておきましょう。
2月の健康管理目標 | 今年は「少酒」を実践しましょう
自らの運転習慣を見直しましょう
■ヒヤリ・ハット体験を振り返りましょう
2月は少し仕事が落ち着いて、運転業務も多忙を極めるということが少ないかもしれません。
この時期は自分の運転ぶりを反省する良い機会です。事故経験のない方も安全運転を続けていくためには、運転に対する客観的な評価をして自ら改善していくことが重要です。
今まで運転中にヒヤリ・ハットした経験などあればその状況を思い起こして、ふだん自分が危険な運転をしていないか考えてみましょう。
たとえば、進路変更時に後続車がすぐ近くにいてヒヤっとすることが多い人は、進路変更前の安全確認が甘かったり、安全確認する前に進路変更を始めてしまう「動作優先」傾向の強い可能性があります。
こうした運転習慣を続けていると、今まで事故に遭わなかったからといって、いつ後続車との接触事故を起こすかわかりません。
ヒヤリ・ハット体験を貴重な教訓と受け止めて、ウインカーを出す前に意識的に後方を目視するなど、運転習慣を改善することを心がけましょう。
■周囲の意見も参考にする
こうした危険な運転習慣として、
●見通しの悪い交差点でも徐行程度で通過する
●運転中にスマートフォンを助手席に置いている
●黃信号に変わる予感がしたらアクセルを踏む
●少しの停車ならエンジンを止めずに降車する
●運転中に喫煙する習慣がある
●運転中に車の中で軽食を食べる癖がある
●発進しながらシートベルトを締める習慣がある
といったことに心当たりのある人は意外に多いのではないでしょうか?
ささいな習慣であり、自分は安全運転を心がけているので大丈夫と考えがちですが、交通状況が複雑な場合や相手が危険な行動をしたときに、あなたの運転習慣が組み合わさって思わぬ事故につながることがあります。
望ましくない運転習慣があっても自分ではなかなか気づけないものです。家族や同僚・上司などに「私の運転で気になっていることはないですか?」と聞いてみるのもよいでしょう。
周りから「合図してから発進するのが、少し早すぎるのでは?」といった意見を聞く事ができるかもしれません。謙虚に耳を傾けて改善することが無事故ドライバーへの道です。
道路・気象情報を収集し経路を確認しましょう
■全車チェーン規制の情報をゲットしておこう
2月は各地で大雪や強い寒波などのために、通行止めや通行規制が実施される恐れがあります。
管理者による早めの情報収集と運転者への指導が重要となる時期です。
事業所のある地域は晴天でも、目的地の天気予報を必ずチェックし、豪雪などの危険があれば、現地の道路情報を入手して、高速道路の通行止めが発生する予報が出ていないか確認しておきましょう。
平成30年度より、一定の地域ではスタッドレスタイヤでもチェーン装着が必要な規制が広範囲に実施されていますので、チェーンを搭載していないと通行できない場合が増えてきます。
一方で、道路によって集中的な除雪が実施されるため、昨年までなら通行止めとなるような雪の場合でもチェーンがあれば通行が許可されるケースが増えると考えられますので、該当する車はチェーンの搭載を確認し、迂回経路なども検討しましょう。
■国道事務所のインターネット情報を活用しよう
国土交通省は各地の国道事務所と連携して、ツイッターによる道路情報の提供を行っています。
関係する地域の道路事務所のツイッターページや道路情報ページをフォローしていると、急な降雪による危険箇所や通行止めの発生などを道路別に即座に知ることができます。
また、Yahoo地図などインターネット上の地図では、地震・大雨や豪雪など自然災害による大規模な交通規制が発生した場合、通行止め或いは通行実績情報を更新するサービスを一時的に実施しますので、それらのページにも目を配っておきましょう。
Yahoo地図はこちらを参照。
ITSの通行実績情報はこちらを参照
これらの最新情報ページを活用して、ドライバーに道路情報を伝えましょう。なお、スマホアプリで見られる情報も多いのでドライバーが情報共有するように促してください。
道ナビ石川(金沢河川国道事務所が運営)のホームページ
今年は「少酒」を実践しましょう
■飲酒は1日1合程度におさえよう
毎年2月は生活習慣病予防月間です。生活習慣を見直して健康を維持しましょう。
日本生活習慣病予防協会は「少酒」を提唱しています。
様々な生活習慣病がアルコールと密接に関係することが判明していて、大量の飲酒をすると疾病が誘発される可能性が高まります。
健康増進法に基づき制定された「健康日本21」のなかでは、アルコール摂取に関して、1日20g(日本酒に換算して1合程度)が望ましいとされています。
お酒を大量に飲む習慣を見直し、高価なお酒をおいしい食事で少しずつ嗜むなど、少量の飲酒量で楽しむ生活にシフトしていくことが大切です。
■大量飲酒はやがてアルコール依存症に
長年の大量飲酒によって引き起こされる生活習慣病の一つにアルコール依存症があります。
飲酒運転の常習者を調べてみると、アルコール依存症かプレアルコホリック※の人が多くみられます(※依存症の一歩手前でアルコールに関する身体的・精神的問題を抱えている)。
アルコール摂取のコントロールを失う病気ですので、やめようと思っても昼間から飲酒するようになり非常に危険です。
■薬との併用も危険です
また、常時大量に飲酒する人は薬が効きにくい、あるいは非常に効きすぎてしまうといったことが起こりやすいので注意してください。
効きにくくなるのは、長年の飲酒習慣のため"MEOS"(ミクロゾームエタノール酸化酵素)の活性が高まり、アルコールに強くなるのと同時に薬に対する耐性も上がるため、薬の効果が出にくくなるのです。なお、MEOSは多量の活性酸素を産生するため、肝臓の細胞が破壊されるという副作用があります。
さらに、お酒と薬を同時に摂取すると、アルコールを優先して代謝しなければならないため、分解を妨げることで薬が長時間体内に残って、薬が強く効きすぎたり効果が長引くこともあります。
寝る前に睡眠剤とお酒を併用すると昏睡状態に陥ったり、翌日の昼間でも突然に寝入ってしまう恐れがあるので気をつけましょう。
■年度末の車検場は大混雑
年度末に向けて、社有車の検査、新車登録事務が必要かどうか早期に調査し、手配・実施しておきましょう。
翌3月は例年、運輸支局の検査・登録窓口が混雑を極めて非常に時間がかかります。
とくに3月末の金曜日は車検事務を避けましょう。
検査予約はインターネットでも可能です。
例年、2月は大型自動車等の車輪脱落事故の発生ピークが見られる時期です。
国土交通省では、大型自動車を使用している事業者への日常点検整備と「一定走行後のボルト・ナット増し締め」の再徹底を呼びかけています。
同省によると、平成29年度中に車両総重量8トン以上のトラックや乗員30人以上のバスからタイヤが脱落した事故は67件発生し、前年度より11件増加しました。また、経年変化をみると6年で6倍超に急増していることもわかりました。
脱落事故は、冬期(11月~3月)に集中し、全67件中56件(84%)となっています。
また、車輪脱着作業後1か月以内に発生した脱落事故が約半数(55%)を占めています。
【左後輪の脱落事故が83%と多発】
同省の調査により、車輪脱落位置の大半(56件=83%)が左後輪に集中していることもわかりました。左後輪の日常チェックはとくに重要です。
■拘束時間、休息期間の確認表を活用
居眠運転や過労・睡眠不足による交通事故を防ぐため、各地の運輸局では事業用自動車に対する指導を厳くしています。
働き方改革ともあいまって、監査や適正化指導の際には運転者の拘束時間・休息期間が細かくチェックされます。
運行管理者は、運転者の業務時間が改善基準告示に抵触していないことを常に確認して、指導を怠らない姿勢を示すことが重要です。
告示基準からの逸脱を防ぐために、労働時間確認表を作成し、毎日チェックすると効果的です。
通常の運行を管理する香盤表や運行予定表だけではチェックミスが起こりやすいので、実際の運行結果の報告を受けたときにチェックする時間管理の確認表を作成しておきましょう。
右上図は、国土交通省が貸切バス事業者のために作成した確認表のモデルで、同省のwebサイトからダウンロードして使用可能です(エクセル)。トラック協会などの事業者団体で資料作成をしている例もあります。こうした表を活用して拘束時間管理の意識を高めることが重要です。
※ダウンロード資料出処 → 国土交通省webサイト「自動車総合安全情報」
日 付 | 行 事 等 |
1日(金) ~28日(木) |
・省エネルギー月間──政府は、暖房や給湯で電気や石油などのエネルギー消費量が増える2月を「省エネルギー月間」と定め、省エネルギーの推進を呼びかけています。 |
1日(金) ~28日(木) |
・全国生活習慣病予防月間──日本生活習慣病予防協会が制定。過去に2月第1週を政府が「生活習慣病予防週間」と定めていましたが平成20年に廃止したことから、同協会が活動の継承を目指して月間を制定し、広く啓発活動を行っています。 |
1日(金) ~ 20日(水) |
・平成31年度「全国安全週間 スローガン募集」 応募は、厚生労働省 労働基準局 安全衛生部 安全課業務第一係まで。 (郵便番号100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2) |
2日(土) |
・バスガールの日──1920(大正9)年、東京市街自動車の乗合バスに初めてバスガール(女車掌)が登場しました。初任給35円、当時としては破格の高給で話題になりました。 |
2日(土) |
・交番設置記念日──1881(明治14)年のこの日、1つの警察署管内に7つの交番を設置することが定められまし た。その後、全国で「派出所」「駐在所」という名称に統一されましたが、「交番」という呼び名が定着し、国際的にもKOBANとして通用する言葉になって いることから、1994(平成6)年11月1日に「交番」を正式名称とすることになりました。 |
2日(土) |
・初午──2月最初の午 (うま)の日。伏見稲荷大社をはじめ全国の稲荷神社で初午の日には盛大な「初午大祭」(豊穣祈願)が行われます。 |
3日(日) |
・節分/のり巻きの日 |
4日(月) |
・立春 |
5日(火) |
・笑顔の日──2(二)と5(コ)の語呂合わせで、いつもニコニコと笑顔になっていようという日。 |
6日(水) |
・プロドライバーの健康管理・労務管理の向上による事故防止に関するセミナー (国土交通省) 場所:TKPガーデンシティ PREMIUM田町(東京都港区芝浦3丁目1-21) 時間:13:00~16:30 (参加費無料/定員200名/先着申込順─申込み開始1月21日午前10時より) ※詳しくは同省の報道・広報WEBサイトを参照してください。 |
9日(土) |
・風の日──「ふ(2)く(9)」(吹く)の語呂合せから。春一番など強い南風が観測され始める季節です。 |
11日(月) |
・建国記念の日 |
12日(火) |
・2月の製品安全点検日──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について、情報提供・注意喚起を行っています。 |
14日(木) |
・聖バレンタインデー |
15日(金)~ |
・平成30年分の所得税および復興特別所得税の確定申告(~3月15日) |
17日(日)
~23日(土) |
・アレルギー週間──(財)日本アレルギー協会 がアレルギーの日をはさむ1週間、東京での中央講演会をはじめ、全国の支部で一般市民を対象に様々な啓蒙的催しを開催しています。 |
18日(月) |
・自動車事故防止セミナー(東北運輸局) ──ドライブレコーダーを活用した運転者教育について 他 場所:TKPガーデンシティ仙台・ホール13A(仙台市青葉区中央1-3-1) 時間:13:00~16:15 (参加費無料/定員240名/申込順) ※詳しくは同運輸局のWEBサイトを参照してください。 |
19日(火) |
・雨水 |
19日(火)~ 22日(金) |
・2019 産業安全対策シンポジウム(第41回) (主催・日本能率協会など 於:東京都港区三田NNホール) ・19日「自然災害対策と危機管理」ほか ・20日「リスクアセスメントとリスクマネジメント」ほか ・21日「これからのヒューマンファクターを考える」ほか ・22日「保安力、現場力」ほか 詳しくはシンポジウムのWEBサイトを参照してください。 |
20日(水) |
・アレルギーの日──1995年のこの日、石坂公成・照子医師夫妻がIgE抗体を発見し、米国アレルギー学会で発表したのを記念して日本アレルギー協会が制定しました。 |
21日(木) |
・自動車安全セミナー(中国運輸局) ──健康管理の重要性や乗務員指導の取り組みについて 他 場所:RCC文化センター(広島市中区橋本町5-11) 時間:13:00~16:00 (参加費無料/定員150名/申込順) ※詳しくは同運輸局のWEBサイトを参照してください。 |
25日(月) |
・梅田繁華街車暴走事故から3年──2016年2月25日、大阪・梅田の繁華街で乗用車が暴走し歩行者10人が死傷する事故が発生しました。車を運転して死亡した会社経営者(51)は、高血圧の既往があり事故直前に大動脈解離を発症したことが判明しました。職業運転者に限らず、働き盛りの運転者の健康管理の重要性が、改めて話題となりました。 |
28日(木) |
・自動車事故防止セミナー(九州運輸局) ~睡眠不足と健康状態、あなたは大丈夫ですか?~ 場所:東市民センター なみきホール(福岡市東区千早4丁目21番45号) 時間:13:00~17:10 (参加費無料/定員300名/申込順) ※詳しくは同運輸局のWEBサイトを参照してください。 |
2月上旬 | ・平成30年中の労働災害の動向について(厚生労働省) |
2月上旬~下旬 |
・荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたセミナー |
2月上旬~4月末 |
・平成31年度の「安全衛生標語」募集──陸上貨物運送事業労働災害防止協会。「荷役」「交通」「健康」3部門で募集し、11月開催の全国大会で顕彰。詳しくは、同協会のWEBサイトを参照。 |
2月中旬~3月 |
・貸切バス事業者安全性評価認定制度説明会(ブロック別) |
2月下旬~3月 |
・平成30年中の交通事故発生状況(警察庁) |
2月下旬 |
・平成30年賃金構造基本統計調査結果=賃金センサスの発表 (厚生労働省) |
◆2月の日没時刻(国立天文台天文情報センターによる)
1日(金) | 福岡 17:49 |
大阪 17:27 |
東京 17:08 | 札幌 16:46 |
15日(金) |
福岡 18:02 | 大阪 17:41 | 東京 17:22 | 札幌 17:05 |
28日(木) | 福岡 18:14 |
大阪 17:52 |
東京 17:35 |
札幌 17:22 |
2月の日没はまだほとんどの地域が5時台です。あっという間に暗くなりますので早めのライト活用を意識しましょう。冬型の気圧配置によって午後にしぐれたり、雪が降ることが多く、早い時間から暗くなる地域も多くみられます。
歩行者や自転車との事故防止のために、点灯して早期発見する意識を持ってください。
早めに点灯するあなたの思いやりが、交通事故減少に結びつきます。遅くても日没の30分前には、ぜひ点灯するとともに、夕刻に増える交通参加者を警戒して運転してください。
「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯をドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。全国で点灯活動を展開する運転者が増えています。
また、JAF(日本自動車連盟)も早期ヘッドライト点灯キャンペーンを展開しています。
JAFのインターネットWEBサイトではライト点灯
に関して様々な情報提供が行われます。
※詳しくは JAF Safety Light のサイトを参照してください