皆さんのなかには、働きながら病気の治療をしている方もおられると思います。入院などを終えて職場に復帰した時、無理をしないことが大切ですが、これが意外に難しいそうです。
「仕事と治療の両立支援」を専門に研究している北里大学医学部公衆衛生学講師の江口尚医学博士が各地の労働局などで行った講演の内容によると、仕事に戻りたいと考える人は、十分回復していなくても気力だけで職場復帰を急ぐ傾向にあり、本人も周りも「大丈夫」と過信して、結果的に失敗するケースが少なくないということです。
江口氏は、集中力を持って仕事に取り組むことができるという「知力」、所定労働時間を働ける「体力」、「気力」の3点がそろっているか、主治医とよく相談してから職場に戻るべきである、と述べています。
実際には職場の要請や本人の事情等があり、3つが万全にそろうまで待つのは難しいことが多いと思われます。けれども、いきなり「大丈夫」ではなく、ハンディがある点を自他ともに認めて仕事をすることが大切です。
とくに運転業務は体力、知力、気力の3点ともに重要ですので、少しずつ慎重に業務を再開し、無理をしないように努めてください。
(シンク出版株式会社 2019.3.5更新)
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