さる5月23日午前2時前、大阪市住吉区の南海高野線の踏切で、線路を保全する保線車とタクシーが衝突し、タクシーの運転者がけがをする事故がありました。
南海電鉄の話によりますと、保線車が踏切を通過する際も「遮断機は自動的に下りるシステムになっている」ということですが、保線車の運転士は「通過するときに遮断機は上がっていた」と話しています。
こうした話から考えますと、踏切の遮断機が何らかのトラブルで作動しなかったのではないかと思われます。
事故が起きた時間が深夜の2時前ということを考えると、タクシーの運転者としては、「もう電車は運行してしない」と思っていたのではないでしょうか。
そして、遮断機も下りていなかったわけですから、ほとんど安全確認もせずに通過しようとしたのではないかと思います。
深夜でも、線路の保全のために保線車が走っていることがあります。遮断機が降りていなくても、踏切を通過する際には一旦停止して安全確認をするようにしましょう。
(シンク出版株式会社 2019.5.30更新)
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