■路線バスが乗降口ドアを開けて走行
さる2019年6月6日、茨城県小美玉市を走行する路線バスがドアを開けたまま約4~5分間走行する事件があり、乗客の撮影した動画がSNSにアップされたことによりマスコミでも報道されました。
運転者はバス停で乗客を乗せるとそのままバス後部のドアを閉めることなく発進し、ドアを開けたまま数分間気づかずに走行していたもので、乗降口ドアを閉じなければ発車できないように制御するインターロック装置が故障していたか、解除されていた可能性があります。
■今年前半ですでに3件の事案が発生
国土交通省は2019年に入って同じような事案が他に2件も発生していることを重視し、公益社団法人日本バス協会に対して以下のような内容の通知を送ることで注意を促しています。
★「乗降口の扉を閉じた後でなければ発車してはならない」ことを運転者に対して改めて指導・徹底する。
★乗降口の扉を閉じていないと走行できない機能(インターロック機能)のついたバスを運行しているバス事業者は、運転者が運行する際は、解除装置が作動していないことを確認することを改めて指導・徹底する。
★乗降口の扉を閉じていないと走行できない機能のついたバスについて、機能が作動することを改めて点検・確認する。
※インターロック装置の解除について
インターロック装置によっては作動にタイムラグがあり、ドアが閉まってもしばらくの間はアクセルが踏み込めなかったりシフト操作もできないので、素早く発進をしたい運転者が解除することが考えられます(機器の種類やバスの型式によって解除が可能な場合があります)。
坂道などでは、ドアが閉まったあとアクセル解除に時間がかかと坂道発進がすぐできないので装置を嫌う場合もあります。こうした運転者の心理にも配慮し、作動しないことはあり得ないと思い込まないで、点検整備や開閉確認の徹底をしましょう。
■2018年6月1日改正の新指針に準拠
「バス運行管理者のための指導・監督ツール」は、運転者に指導する際の資料として、「運転者用資料」を39枚収録した運行管理者のための指導教材です。
言葉だけでは伝わりにくい安全運転のポイントを漫画とイラストで具体的に解説し、3つのキーワードで印象づける内容です。
点呼時やドライバーミーティングなどの短い時間でも、運行上の危険や安全運転ポイントを指導することができます。
2018年6月に公布された一般バス事業者のための指導監督指針11項目、貸切バス事業者向け2項目の指針計13項目に準拠し、教育記録簿用紙も添付しています。