正しい行いで将来の安全運転者を育てよう

 先日、「なぜ、横断歩道で車が止まらなのか」という番組をテレビでやっていて興味深く見ました。

 

 JAFなどの調査で明らかになったのは、都道府県によって信号のない横断歩道で止まる車の割合に大きな差があり、低い地方では数%の車しか停止しないのに、トップの長野県では実に7割の車がきちんと停止して歩行者優先を遵守するということです。

 

 運転者に対するインタビューでその理由の一端が明らかになっていましたが、同県では多くの人が「親の時代から横断歩道では止まっていたと思う」「学校に行くとき横断歩道でいつも車が止まってくれたので、当たり前のことと感じていた」と答えていました。

 

 つまり、長野ではすでにずっと前の時代から、運転者は横断歩道で止まる行為を実践していたということです。

 

 子ども時代からそういう体験をしてきた人たちは、成人して自分が運転するときにも自然と横断歩道での停止を実践するのです。教育の大切さを実感する話ですが、交通ルールを根付かせるのは一朝一夕ではうまくいかず、長い時間がかかるということも教えてくれます。

 

 「他の車が全部通過するのだから、自分1台くらい横断歩道で止まっても……」と虚しく感じることはあるでしょうが、あなたの正しい行いが歩行者を守るだけでなく、必ず横断歩道を渡る子どもや同乗しているあなたの子どもの心に残ります。

 

 彼らが運転者となるときその行動に生かされると考えて、どうか、安全運転のマナーとルールを愚直に実践してください。

(シンク出版株式会社 2020.5.1更新)

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