今月の運転管理──2020年6月(令和2年6月)

降雨時の事故を防止しよう


4月の安全運転管理

 6月は、そろそろ梅雨時期となり雨が増えるので、タイヤのスリップや停止距離が伸びて追突する危険などに注意する必要があります。

 

 また、新型コロナウイルス感染症の影響で交通量が減っているにもかかわらず、死亡事故が増えている地域があるそうです。交通が閑散としていることに油断してスピードを出しすぎたことによる重大事故が多発して死者増に結びついていると考えられます。

 運転者には、不要不急の運転を戒め、コロナ疲れを運転で発散するような行動にも注意させましょう。

 

 健康面では、歯と口の健康週間にちなんで口腔衛生をすすめるように努めましょう。感染症の予防にも重要です。  

  

6月の安全運転目標──運転者の皆さんへ

■速度の出し過ぎに注意しましょう

交通量が減少するとかえって死亡事故が多発する恐れがあります!

東京都で死者数が増加

 新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言で交通量が減少し、都心部では渋滞が解消される時間帯が多くなりました。

 

 運転者にとってはありがたいことですが、走りやすい道路はスピードを出しやすいため、交通事故が発生したときに重大事故に結びつく恐れがあります。

 ちなみに警察庁の統計によると今年3月末の事故状況は人身事故全体が減少しているにも関わらず、東京都など都市部の一部の都県では死亡事故が増加していることがわかりました。

 

 運転者の意識が散漫になって速度が出すぎてしまい、横断歩道上の歩行者などを見落として死亡事故に結びついた事例が多発しています。

■こんな事故が起こっています

横断歩道の自転車をはねる

スピード違反の車が自転車をはねる 

 さる5月7日正午ごろ、東京都江戸川区の信号交差点で、自転車に乗って青信号の横断歩道を渡っていた中学1年生の男の子(12歳)が信号無視のワゴン車にひかれて死亡しました。

 ワゴン車は規制速度の時速50キロを大幅に上回るスピードで走行していて自転車をはねたとみられています。

 

 事故を起こした運転者は中学生に気づかないままはねてしまったと話しているということです。

 交通ルールを守って行動していた中学生が殺され、遺族はもちろん、周辺の市民がショックを受けています。 

■下の項目をチェックし、自らの運転態度を反省してください

・交通量が減っても油断しないで、交差点では念入りに安全確認をしている

・交通量の少ない道路や夜間でも、信号や一時停止標識に気をつけている

・スピードの出しすぎに注意し、常にスピードメーターを確認している

・コロナ休校のため道路で遊んでいる子どもが多いことを予測して運転する

・自転車に乗る人が増えていることを意識して、危険予測をしている

・坂道などをスピードを出して降りてくる自転車に気をつけている

・交通量が少ないため横断歩道以外を横断する人がいることを意識している

・対向車が少なくてもカーブなどではみ出さないように気をつけている

 ハイ・イイエ

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月の重点管理目標──管理者の皆さんへ

■雨の日の安全運転指導を徹底しよう

濡れた路面での慎重な運転方法を再確認しよう

 そろそろ、太平洋では台風発生のニュースもあり季節は梅雨に入ろうとしています。

 

 雨の日が増加すると、車間距離の狭い状況での追突事故が多発したり、カーブでのスリップによる逸脱事故、強いブレーキを踏むことによるスピンなど、さまざまな危険が増えます。

 

 また、視界が悪化することによる歩行者や自転車の発見の遅れから、交通事故が発生しやすくなっています。行動制限の解除された地域では、運転者も散漫になりやすい時期ですので、雨の日はとくに慎重に行動するように指導しましょう。

 

 とくに重視したいのは速度の抑制です。雨が振り始めたら速度を落とすことを徹底しましょう。

 速度を落としておけば判断や操作に余裕が生まれることを強調しておきましょう。

視界の悪化から車線を逸脱する危険もある

 

 また、運転者には雨天による視界の悪化が危険の発見を遅らせるだけでなく、道路標示やラインなどが判然としなくなって、気づかないうちに車線をまたぐなどの危険が発生しやすいことに注意させましょう。

 

 特に、カーブなどで十分に速度を落として路面を観察していないと、グリップの低下からタイヤが横滑りして対向車線に入ってしまう危険があります。

 

 複雑な形態の交差点であっても、晴れていて視界がよいときであれば十分に対処できるでしょうが、雨の夕方などは形状がよくわからないまま速度を出して走行していると思わぬ危険に遭遇します。

 悪条件下では状況に応じた速度を守ることが安全運転の鉄則です。

  

6月の健康管理目標──従業員の皆さんへ

歯と口の衛生に取り組みましょう

歯周病と糖尿病

■口腔衛生が免疫力を高める

 

 世界的な新型コロナウイルスの流行が続いていますが、歯の衛生が感染症予防に重要だということを知っていますか?

 6月4日から始まる歯と口の健康週間にちなんで、歯磨きや口内のケアについて再確認しましょう。

 

 今や成人の半数が罹患していると言われる歯周病は糖尿病や心臓病、脳血管疾患などと関係のあることが近年の研究でわかってきました。感染症にかかった場合は、これらの疾患が命取りになることもありますので、重症予防のためにも歯周病を防ぐことが重要です。

 

 また、口腔内の細菌が多く存在する状態を放置すると、ウイルスが細胞に罹患しやすくなると言われていて、直接の感染防止の観点からも、歯磨きなどが重要です。

正しい歯磨き

■歯磨きの方法が進化している

 

 そのためには、歯磨きや口をすすぐ習慣を見直し、より効果的・衛生的な習慣を身につけるように努力しましょう。

 

 歯科医師会などのWEBサイトによると、歯ブラシだけをとってみても奥が深く、最近は非常にすぐれた道具が開発され、歯磨き方法がどんどん進化していることがわかります。

 理想の歯ブラシは1本ではなく、複数使い分けるのが当たり前の時代です。

 

  → 日本歯科医師会「朝昼晩」

 

 歯は一生付き合っていくものですから、自宅にいる時間が長くなる今は、正しい歯磨き習慣をつけるよいチャンスです。

 ただし、歯科医に行って歯磨き指導を受けるのもなかなか難しいでしょうから、動画指導ファイルなどを参考にして正しい歯磨き方法を学んでください。

 

  → 日歯8020テレビ「基本的な歯の磨き方」 

 ※この記事は、日本歯科医師会のホームページを参照しました。

  

その他の管理・指導項目

2020全国安全週間準備期間
6月は安全週間の準備期間です

安全週間に向けて安全パトロール

 

 6月の1か月間は、7月1日から実施される全国安全週間の実効を上げるための準備期間となっています。職場の安全総点検を実施してください。

 

 交通事故災害については、事例の原因分析を行って、運転者と管理部門の担当者が事故情報を共有するように努めましょう。また、事業所周辺の事故多発マップなどを配布しておくことも効果的です。

 

 事故は構内や作業現場でも発生しています。フォークリフトやトラックを誘導する作業員がひかれたり、運転者が荷台から転落するといった事故が起こっています。

 墜落・転落事故やフォークリフト事故防止のための資料を作成しましょう。

 

 とくに、最近は65歳以上の高齢労働者の災害が増えています。「エイジフレンドリー」とは再雇用された高齢者などへの安全対策を職場全体ですすめようという意図があります。高齢者が転びやすい場所はないか、段差の大きな作業場所はないかなどの危険点検を実施することも大切です。

 また、今年は感染症予防も従業員の安全を確保するうえでの重要課題です。職場の感染症対策をチェックしましょう。

  

事業用自動車の運行管理者のみなさんへ

「ドライバーの感染予防」について徹底しましょう

新型コロナウイルス対策

 バス・トラック、タクシー等事業用自動車を運行する事業所では、新型コロナウイルスの感染予防に尽力しておられると思いますが、非常事態宣言などが解除された後も、感染予防の手を緩めないように注意することが重要です。

 

 なお厚生労働省では、事業所における感染予防のため、以下のようなチェックリストを配布して、注意を促しています。

 

 これらのチェックリストを管理者に配布し、各グループ単位で互いに気をつけるように促しましょう。

感染症の拡大を防止するためのチェックリスト──厚生労働省WEBサイトよりダウンロード可能

感染症対策チェックリスト
感染症対策チェックリスト

新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン(トラック協会・バス協会)

 なお、(公社)全日本トラック協会・(公社)日本バス協会では、「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を策定して感染予防の社内体制を構築するように呼びかけています。

 トラック→  こちらを参照してください。

 バス →    こちらを参照してください。

  

月の安全運転管理ごよみ──2020年(令和2年)

日  付 行 事 等

 1日)~

 30日(火)

・全国安全週間準備期間

 6月は、7月1日から実施される全国安全週間の実効を上げるための準備期間です。総合的な安全活動の総点検を行いましょう。

2020年度 安全週間スローガン 

 「エイジフレンドリー職場へ! みんなで改善 リスクの低減」

 詳しくは厚生労働省中央労働災害防止協会サイトを参照。

 1日)~

 30日(火)

不正改造車を排除する運動強化月間──毎年6月は、交通の安全確保と公害を防止するため、車の不正改造の取締りを特に厳しくする強化月間です。違法マフラー等悪質な不正改造の排除に向けた街頭検査などが実施されます。

 1日)~

 30日(火)

・環境月間──6月5日の環境の日(世界環境デー)を含む1か月間は、「環境月間」となっています。エコライフ・フェア2020(6日、7日)など各地で環境イベントが実施されます。

 1日)~

 7日

・がけ崩れ防災週間──国土交通省が制定。がけ崩れによる災害防止に関する意識啓発や情報提供を強化します。地震や大雨被害のあった地域はもちろん、土砂災害特別警戒区域に指定されている地域では、日頃から警戒が必要です。

 5日(金 ・世界環境デー環境の日・World Environment Day
 5日(金 ・東名あおり運転事故から3年──2017年6月5日、パーキングエリアで注意されたことに腹をたてた運転者が、ワゴン車に対しあおり運転を繰り返し、東名高速道路の追越車線に停車させ、そこにトラックが追突、ワゴン車の運転者夫婦が死亡する事故が発生しました。運転者は危険運転致死傷罪で懲役18年の刑を言い渡されました。警察庁は「あおり運転」に対する取締りを厳しくする方針を明確にし、政府はあおり運転の厳罰化のため、道路交通法・刑法の改正案を国会に提出しました。
 6日(土 ・ワイパーの日──日本ワイパーブレード連合会が制定しました。安全な視界確保のため年1回のワイパー点検を奨励しています。
 6日(土 

 7日

・日本交通心理学会 第85回福岡大会

 11月7日(土)~8日(日)に延期されました。

  会場:福岡工業大学

 ※詳しくは、同学会のWEBサイトを参照してください

 7日 

 13(土

・危険物安全週間 ──消防庁が制定し、毎年6月の第2週(日曜日から土曜日までの1週間)、ガソリン等の危険物の自主保安体制の確立を呼びかけています。

■2020年度 推進標語

 訓練で 確かな信頼 積み重ね 

  詳しくは(財)全国危険物安全協会のWEBサイトを参照。

 9日(火)

6月の製品安全点検日──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。

 ~10日(水)

運行管理者試験(2020年度第1回)の申請締切

 ※インターネットによる電子申請は、6月16日(火)まで 

 試験日:2020年8月23日(日)

 10日(水

・入梅(暦の上での梅雨入り)

 11日(木

 12日(金)

運輸交通システムEXPO in関西 2020

 事業用自動車ドライバーの安全運転、事故防止、省エネ運行、健康管理のためのシステムや製品、技術を集めて紹介する催しの関西版。

 8月27日(木)~28日(金)に延期されました。

  ※詳しくは、イベントのWEBサイトを参照してください。

 20日(土)~

 7月19日

「ダメ。ゼッタイ。」普及運動──麻薬・大麻・危険ドラッグ等の薬物乱用を防止するため、「公益財団法人 麻薬・覚せい剤乱用防止センター」による広報・啓発活動が展開されます。
 20日(土)~

 9月10日

・交通安全ファミリー作文コンクールの募集

(応募締切は9月10日──詳しくは、警察庁のWEBサイトを参照)

 21

父の日(6月第3日曜日)

 21日

・夏至──北半球ではこの日が1年のうちで最も昼の時間(日の出から日没まで)が長くなります。

 24日(

・池袋危険ドラッグ暴走事故から6年──2014年6月24日、池袋駅西口付近の路上で、暴走したRVが歩行者に突っ込み7人が死傷する事故が起こりました。RVの運転者は脱法ハーブを吸った直後に運転し、意識が朦朧とした状態で事故を起こしました。この前後に同種の事故が多発、事故当時は法規制にかからない「脱法ドラッグ」も多数ありましたが、同年7月15日に指定薬物の省令が改正され取締りが強化されました。

 25日

・指定自動車教習所の日──全日本指定自動車教習所協会連合会が制定。1960年のこの日、改正道路交通法が施行され公安委員会が指定した自動車教習所を卒業すると運転免許取得時の技能試験が免除される制度が定められました。「625ムジコ=無事故」の語呂合わせにもなっています。

 25日)~

 26日(金)

・第56回 日本交通科学学会総会・学術講演会

 11月23日(月)~24日(火)に延期されました。

 会場:名古屋大学 ES館,NIC(名古屋市千種区不老町)

 ※詳しくは、同学会のWEBサイトを参照してください。

 28

雨の特異日──前後数日間も、1年で最も雨の降る確率が高くなっており、東京では53%の確率で雨が降ると言われています。

 30(火

・御堂筋「低血糖事故」から6年──2014年6月30日、低血糖症による意識障害から、男性がワゴン車を運転して3人に重軽傷を負わせる事故が発生、運転者は禁錮1年6月執行猶予3年の刑を受けました。

   

 5月9月

・「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」期間 

 厚生労働省が主唱する今年の熱中症予防対策キャンペーンは、2020年5月1日から9月30日まで。政府全体の取組みである熱中症予防強化月間の7月を重点取組期間としています。 

 6月1日

 9月30日

・夏の省エネキャンペーン──エネルギー消費の大きなピークの季節を迎え、省エネキャンペーンが行われます。

 6月中旬 2020年5月末までの交通事故発生状況発表(警察庁
 6月下旬

2020年5月分 トラック輸送情報国土交通省

 

 ◆6月の日没時刻国立天文台暦計算室による)

1日(月 福岡 19:24

大阪 19:06

東京 18:52 札幌 19:07

 15日(月

福岡 19:30

大阪 19:13

東京 18:59

札幌 19:17

30日(火 福岡 19:33

大阪 19:15

東京 19:01

札幌 19:18
早めのライト点灯で事故防止
「早めにつけよう おもいやりライト運動に
 取り組みましょう!

 6月はもう夏至、1年でも一番日照時間が長くなる季節です。一方で、自転車やジョギングなどで夕方も外出する人が多く、早めのライト点灯が重要です。

 早めに点灯すると遠方の歩行者の姿も確認しやすくなります。ライト活用を意識して、周囲の警戒を徹底しましょう。

 

 早めに点灯するあなたの思いやりが、交通事故減少に結びつきます。遅くても日没の30分前にはぜひ点灯するとともに、夕刻に増える歩行者事故を警戒して運転してください。

 
 「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯をドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。全国で点灯活動を展開する運転者が増えています。


 詳しくはおもいやりライトのサイトを参照してください

 

 また、JAF(日本自動車連盟)も早期ヘッドライト点灯キャンペーンを展開しています。
 JAFのインターネットWEBサイトではライト点灯
に関して様々な情報提供が行われます。

 ※詳しくは JAF Safety Light のサイトを参照してください

 
今日の安全スローガン
今日の朝礼話題

12月23日(月)

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