車を止めた後、車が自然に動き出して事故になるケースは「自然発車事故」と呼ばれています。
交通事故総合分析センターの調査結果(※)によると、これらの事故の大半は運転者自身が被害にあっているということです。
事故の多くは運転者が車両から降りたとき、何らかの理由で車が動き出してそのまま轢かれたり、車の動き出しに気づいて止めようとして事故にあったり、あるいは動き出した車と建物などの間に挟まれて死傷しているケースが多いのです。
うっかり駐車ブレーキを掛け忘れたケースや、ギアをニュートラルの状態にしたまま、地面の傾斜に気づかないで降車してしまう、などの原因が指摘されています。
また、自然発車事故を起こした運転者の年齢や運転経験を調べたところ、交通事故全体に比べて顕著に60代の運転者に多く、また83%が運転免許取得後10年以上の運転者が占めていました。死亡事故ではさらに割合が上がり、90%は免許取得後10年以上でした。
これは、ベテランの運転者であっても、油断しうっかりしているとき自然発車事故を起こしやすいことを示しています。
車を離れるときは、駐車ブレーキをしっかりと確認し、エンジンを停止してキーを抜いてから降りましょう。とくに納品などを急いでいるとき、うっかりしやすいので注意してください。
(シンク出版株式会社 2020.8.3更新)
※ イタルダインフォメーション №134「特集・自然発車による事故」交通事故総合分析センター
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