高血圧症など健康問題を抱えた人は運転の際に注意が必要ですが、とくに意識喪失発作の経験がある人が運転をすると、大きな人身事故を起こす可能性があり慎重に対処すべきです。
昨年8月、トラック運転中に意識を失って路側帯を歩いていた母子3人に衝突し、停車中の乗用車にも衝突して4人に重軽傷を追わせた男性(65歳)への判決公判がさる12月15日神戸地裁であり、裁判官は過失運転傷害の罪で男性に禁錮2年6月、執行猶予5年を言い渡しました。
男性は、以前から運転中に予兆もなく意識がおぼろげになることが何度かあり、医師から忠告を受けていましたが、2019年4月には運転中に意識を失って別の車に衝突する人身事故を起こしていました。しかし、その後も運転を続けていて、2019年8月23日午後3時すぎに神戸市内で母子をはねる事故を起こしました。
裁判官は量刑理由の中で、医師の忠告後も運転を続けたことを「過失は重大」と指摘した一方で、二度と運転しないと誓った点などから執行猶予を付けています。
危険な症状の自覚がありながら運転を続けて人身事故を起こすと、危険運転致死傷罪の適用を受けることもあります。医師の忠告を受けている人は治療を優先し、大きな悲劇を生むことがないように、場合によっては運転をあきらめる勇気を持ちましょう。
(シンク出版株式会社 2020.12.24更新)
今年も、「2021トラック運行管理者手帳」と「2021バス運行管理者手帳」を好評発売中です。今年の手帳は、カバー裏の色を替えてツートンカラーとなり、とても素敵なデザインとなっています。
本手帳は、運行管理者として知っておきたい知識を「法令編」「知識編」「データ編」にまとめて収録しています。
カレンダー、メモ欄も充実した内容ですので、スケジュール管理も万全です。ぜひお手元でご活用ください。