さる1月28日午前6時10分ごろ、神奈川県秦野市のT字路交差点付近を横断していた高齢者の男性(80歳)が、会社員の男性(31歳)の運転する乗用車にはねられ、死亡する事故が起こりました。
高齢者は、コンビニエンスストアに行こうとして道路の向かい側から横断しました。
まだ夜明け前で薄暗かったので、運転者が前方での横断を予測しておらずに見落としたようです。
現場から50m離れた場所にはボタン式信号機のある横断歩道がありましたが、横断歩道を利用しないで店の向かい側から直接に横断する歩行者が多い場所だったそうです。
このようにコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどがある道路の反対側から歩行者が横断してはねられる例が多く見られます。とくに高齢者は近くに横断歩道や信号があっても、そこまで足を運ばずに最短距離を横断することがよくあります。
なお、この事故現場の道路が横断禁止場所だったかどうかは不明です。交差点付近で横断禁止ではなかったかも知れません。道路交通法では、横断歩道がない場合も交差点やその直近を横断する歩行者を妨げてはならないと規定しています。
交差点付近でとくに店舗などがある場所では、横断歩行者がいると考え減速して走行しましょう。
(シンク出版株式会社 2021.2.1更新)
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