さる2月11日午後8時15分ごろ、熊本県天草市の交差点を右折していた軽乗用車が横断していた歩行者をはねてしまい、軽乗用車の運転者が歩行者を救護していたところ、別の軽乗用車にはねられて2人とも死亡する事故がありました。
事故の現場は、信号機がある見通しのよい交差点で、2人をはねた運転者は「発見が遅れた」と供述しているということです。
事故を起こした当初は気が動転していますので、道路上に倒れている人をその場で救護しようとしたりしますが、この事例を見てもわかるように後続の運転者は路上で救護している人の発見が遅れることが多くあります。
したがって、負傷者を救助する場合にまず考えなければならないことは、後続車からはねられる危険はないかということです。後続車が来ていたら、手を振ったりして、事故現場を避けてもらうことが大切です。その上で負傷者を安全な場所に移動させてください。
不幸にも人をはねてしまったら、負傷者を救護することは運転者の義務として当たり前ですが、救護活動中に後続車からはねられたら元も子もありません。路上での救護活動は、続発事故の危険を排除してから行うようにしましょう。
(シンク出版株式会社 2021.2.24更新)
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