最近、電柱や信号柱に衝突する事故の報道が目立ちます。
事故の原因はわき見や漫然運転、ハンドル操作ミスとさまざまです。電柱等に衝突する車両単独事故は、停電などの社会的損害はもちろん、重傷・死亡事故に結びつきやすいので注意が必要です。
最近の事例は死亡事故ではありませんが、電柱等が倒壊する被害が相次ぎました。
さる5月13日午前3時前、大分県由布市の国道210号の交差点で、走行中の中型トラックが道路左側の信号柱に衝突、この衝撃で柱が倒壊して信号機の電線が垂れ下がり、対向車線のトラックが電線にひっかかって別の信号機も倒壊しました。
また、同じく13日午後4時すぎに神奈川県川崎市の道路で、乗用車が電柱に衝突して電柱が倒れ、片側1車線の道路が通行止めになりました。乗用車の運転者は「わき見をしていた」と供述しています。
交通事故総合分析センターの調査によれば、速度を出した車の電柱等への衝突は乗員がシートベルトを着用していても死亡・重傷事故になる危険性が高いということです。衝突の衝撃で電柱が車を突き破ったり前部座席の損傷が大きく、ハンドルや車の装備に身体が衝突して大きなダメージを受ける可能性があるからです。
わき見や漫然運転で自分自身や同乗者の命を失う危険がありますので、狭い道路では速度を落とし、電柱・信号柱などとの衝突事故を起こさないように注意しましょう。
(シンク出版株式会社 2021.5.17更新)
電柱への衝突事故によって現場付近を停電させたり、踏切事故で鉄道をストップさせる、田んぼに転落して廃油を流出させるなど、社会に大きな損害を与える事故が発生することがあります。
小冊子「こんなに大きい!事故の社会的損害」は、わずかなミスや、低い安全意識による交通事故が、事故の当事者以外の人にも大きな損害を与え、取り返しの付かない事態に発展することを理解していただくことのできる教育教材です。