さる5月12日午前9時40分過ぎ、北海道小樽市の毛無峠を走行していたトレーラーが横転する事故がありました。
事故の現場周辺は、大きなカーブが連続する片側1車線の峠道で、トレーラーは古紙を積んでおり、左カーブを曲がり切れず中央車線のガードレールに衝突し横転したとみられています。
車高が高いトレーラーは、重心の位置も高くなるために、カーブを曲がるときには大きな影響を受けます。
ご存じのように、カーブを走行するときには、車両を外へ押し出そうとする遠心力が働きますが、遠心力は車両重量が重くなるほど大きくなります。トレーラーの荷台には古紙を一杯積んでいたために、重心も高くなり走行が不安的になっていた可能性があります。
もう一つの問題は、トレーラーの場合はドライバーがいるキャビン部分と荷台部分が離れているので、遠心力で荷台が傾いていても、キャビンはあまり傾きません。
そのため、カーブを曲がるときに「あまりスピードを落とさずに回っても大丈夫」といった感覚があったのではないか推測されます。重い荷物を積んでカーブを曲がるときには、十分にスピードを落として走行するようにしましょう。
(シンク出版株式会社 2021.5.20更新)
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