「線状降水帯」の発生知らせる情報の運用を開始──気象庁

■「顕著な大雨に関する情報」が出されたら「命を守る」行動を(6月17日~)

線状降水帯の情報
2017年九州北部豪雨時の画像(日本気象協会の情報サイトより)

●予報ではなく災害情報

 気象庁は、発達した積乱雲が帯状に連なり、大雨による被害をもたらす「線状降水帯」が確認された場合、土砂災害や洪水の危険性が急激に高まったことを知らせる「顕著な大雨に関する情報」の運用を6月17日から始めると公表しました。

 

 「線状降水帯」は、発達した積乱雲が線状に連なり長時間同じ場所に豪雨をもたらす現象です。2017年の「九州北部豪雨」、2018年「西日本豪雨」、2020年「熊本豪雨」などで発生し短い時間で状況が悪化、大きな被害が発生しました。

 

 ただし、現在の技術では「線状降水帯」の十分な事前予測はできないため、気象庁は実際に「線状降水帯」による大雨が確認された場合、「今、豪雨のため、非常に危険が迫っている深刻な状況」を伝え、厳重な警戒や安全の確保を呼びかけることになりました。

 

●どうやって避難するかを事前にルール化し、的確に判断する

 「線状降水帯」が発生したことがわかったとき、すでに安全な場所に避難していれば問題は少ないでしょうが、まだレベル4「避難指示」やレベル5「緊急安全確保」等の避難情報が出ていない状況で従業員が現場等から避難していなかったり、事業用自動車が運行中である場合はどうすればいいでしょうか?

 

 社屋や倉庫・車庫、作業場所などが低い場所、川、崖の近くにある事業所では、従業員の命の危険があります。川沿いの道路やアンダーパスのある道を運行するルートも非常に危険です。

 では、どうしたら安全な避難場所が判断できるでしょうか?

 判断を瞬時にしないと従業員が命を失うこともあるので、豪雨災害が起こる前に日頃から「避難のためのルール」を決めておくことが大切です。

 

 ルール化のポイントは、

  • 「線状降水帯」情報が流れたらどこに避難するのか、車両はどこに収容するのか等を事業拠点ごとに決めておく。
  • 豪雨予報のある日には、各自が天気アプリ・雨雲レーダー等を一日中確認するよう申し合わせる。
  • 気象関連の実況放送で豪雨情報を聞いたり、天気アプリで切迫した危険を確認したときは、誰であっても、社内のSNSなどに危険情報を流して各自に避難を呼びかける。
  • とくに局地的な大雨では水没事故を防ぐため、アンダーパス道路を走行しなように経路設計を見直す。

「天気アプリ」について

 

 スマートフォンやタブレットで確認できる天気アプリとしては、以下のようなものがあります。

・tenki.jp 日本気象協会の天気予報専門アプリ──1時間ごとの天気予報がわかり、施設名などで

 も検索が可能

・Yahoo!天気アプリ──雨雲や台風の接近がわかる気象レーダー搭載で、1時間後にいる場所の雨

 強さなどを見るときに便利

・気象庁レーダー JMA──テレビでよく見る雨雲レーダーが確認できる

・ウェザーニュース──登録した地域に雨雲が近づくとプッシュ通知で知らせる

 

 気象庁の線状降水帯ワーキンググループの研究資料より

■運転中に自然災害が発生したときの備えは万全ですか?

 近年は地球温暖化などを原因とした異常気象により、豪雨や強風・突風、猛暑、豪雪等の自然災害が多発しています。

 

 また、我が国は地震大国ですので、いつ何時、大きな揺れに襲われるかもわかりません。しかしながら、日々自然災害への対応意識を高めておけば、被害を最小限に留めることができます。

 

 本書は、運転中に自然災害に見舞われた以下の6つの運転場面を提示しており、それぞれの危険要因と対処方法を考えていただく教育教材です。

 

 

 

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