8月は、レジャードライブの車が事故を起こしやすい時期です。帰省や長期休暇の旅行で、車を久しぶりに運転する運転者が少なくないからです。
とくに、今年はコロナ禍の影響で久しぶりに遠出するという人が増えますので、高速道路などで注意するように指導しましょう。
また、運転者が暑さによる疲労から無理をして漫然運転や居眠り運転に陥らないように配慮してください。リモートの点呼や朝礼でも、運転者の健康状態をきめ細かく観察して、必要な指導を怠らないよう心がけましょう。
健康管理面では、アルコール消毒を過信しないで、ウイルスによる食中毒に気をつけるように指導してください。
■高速道路のレジャー車両の事故に注意しよう
帰省やキャンプに行くワゴン車・キャンピングカーに注意
東京都は緊急事態宣言が継続しているとはいえ、各地の新型コロナウイルスの感染状況は一段落して、今年の夏休みは、帰省やレジャーで外出する人が昨年より増加すると予想されています。
このため、久しぶりの長距離ドライブに出る車が増えると考えて、とくに休み前後の高速道路では注意が必要です。
ワクチンを打ったので安心して孫に合いに行く高齢者や、昨年の夏と年末は我慢したので、この夏こそ帰省旅行をしようと考える家族がいるのは仕方ありません。
また、「密にならないレジャー」として空前のキャンプブームとなっているため、大型ワゴン車やキャンピング仕様の車が増加しています。
こうした車は重心が高く運転操作が難しいにもかかわらず、乗用車のように急な進路変更をしたり追越しを繰り返す車がいて、走行が不安定になりがちです。大勢の乗員が乗ったワゴン車やキャンピングカーがスピードを上げて走行している場合、お尻が揺れているのをよく目撃すると思いますが、こうした車に近寄るのは危険です。
操作ミスから横転事故などを起こして、他の車を巻き込む可能性がありますので、その動きから目を離さないように注意しましょう。
また、この時期はレジャードライブの車がガス欠などで路肩に停車する例が多くなりますので、走行車線を走っている場合は前方の停止車両に十分な注意を払ってください。
■こんな事故が起こっています
2018年8月5日午後4時30分ごろ、茨城県那珂市の常磐自動車道で家族5人が乗るキャンピングカーの右後輪タイヤがバーストし、運転者(60歳男性)が路肩に停車しようとしたところ、ガードロープに接触、急ハンドルを切ったことで本線側へ戻り、第2車線で右側を下にして横転しました。
この事故で、乗員5人のうち、後ろのベッドやソファーに乗っていた女性2人と生後11か月の女の子が道路上に投げ出されて、運転者の娘さんである26歳の女性1人が死亡し、妻の女性と孫の2人が重傷を負いました。
キャンプ初心者のキャンピングカーは、タイヤの空気圧不足や荷物の積みすぎから過負荷傾向になる恐れがあり、バーストなどの危険が高くなると言われています。
■以下の項目をチェックし、すべてハイとなるように自らの態度を反省してください
・高速道路では、家族連れなどの大型ワゴン車の動きに注意する
・キャンピングカーが高速道路にいたら、近くを走行しない
・路肩に停車した車両から人が出てくる危険性を予測して走行する
・高速道路走行前には、タイヤや燃料のチェックを怠らない
・レジャー走行時はSAでの休憩回数を増やし、路肩停車を避けるよう心がける
・大きな車を借りてレジャーに行く場合、速度を落として慎重に運転する
・キャンピングカーの運転では追越しや無駄な進路変更を慎んで走行する
・キャンプ用品を積みすぎてタイヤに過重をかけ過ぎないよう注意する
ハイ・イイエ
ハイ・イイエ
ハイ・イイエ
ハイ・イイエ
ハイ・イイエ
ハイ・イイエ
ハイ・イイエ
ハイ・イイエ
■過労による事故の防止を図ろう
高温・多湿の夏を迎え、運転者の疲労が高まる時期です。
運転者が疲労から、運転操作ミスを起こしたり、一瞬の居眠りに陥り大きな人身事故を起こさないように十分な配慮が必要です。
新型コロナウイルス対策もあって対面での点呼や朝礼を避けている事業所があり、運転者の健康観察が難しくなっている恐れがあります。
この時期、スマートフォンやタブレットの画面を通じて健康確認をする際には、十分な時間をとって運転者の状態把握に努めてください。
また、前夜の睡眠などについても詳しく聞いて確認し、睡眠時間が短かった運転者に対しては、昼食後の休憩時に少し仮眠を取るように促すなど、きめこかまい指導をしておくことが大切です。
とくに、急に休憩場所を探すのが難しい大型車両を担当している運転者に対しては、疲れる前に早めの計画的な休憩を促すように意識づけしましょう。
■血圧などの心配な運転者には
自己管理を促そう
事業用自動車の運転者に対して、手首に巻いて簡単に血圧や心拍数・体温などを計測することができるスマートウォッチ(ウェアラブルデバイス)を配布し、遠隔地で点呼する際には、血圧の値などを管理者に送信してもらうといった取り組みをしている物流企業があります。
これは、血圧値等を管理者が管理するというより、定期的に心拍数や血圧の値を測る習慣をつけてもらい、健康状態の自己管理を促すのが目的です。
サービスエリアなどで休憩時に血圧等を計測する習慣ができると、値の高低をみて、自分で「もう少しゆっくり休憩してから出発しようか」とか「少し、仮眠して行こう」といった判断をすることができるので、健康起因事故の未然防止に結びつきます。
また、体温計測機能を使えば、熱中症などの予防にも役立ちます。
とくに疾病などを抱えていない運転者であっても、そうした機器に助けられることで、睡眠不足で疲れているときなど自分の状態をみて無理をしないようにと判断することができるでしょう。
食中毒予防に手洗いをしよう
■食中毒もウイルスに注意
食中毒は、7月から9月にかけての夏場に最盛期を迎えるので、注意が必要です。
最近の厚生省統計による食中毒事件数をみますと、細菌が約65%を占めています。しかし、1件あたりの患者数はウイルスによる食中毒が一番多くなっています。
これは、ウイルスの感染力が強いために起こる現象で、2006年頃からノロウイルスによる大流行が日本でも発生していますので、皆さんもこのウイルスのことは、よくご存知だと思います。
昨年から今年にかけて福岡市や北海道などでノロウイルスの局地的な感染食中毒が発生してニュースとなっています。
保育園・幼稚園・高齢者施設での集団感染が目立っていますが、家族が感染すると家庭内で二次感染してしまう人が出てきます。
■アルコール消毒はノロウイルスに
効かないことに注意する
北海道では、感染症対策に気を遣っていたはずの施設で感染が多かったことから、「アルコール消毒への過信」があるのではないかという指摘がされました。
新型コロナウイルス対策として、アルコール消毒が日常的になり、食事前やおやつなどを食べる前にもアルコール消毒器でシュッと手を消毒するのが習慣になってる人が多いようです。
しかし、アルコール消毒は新型コロナウイルス・インフルエンザウイルスなど「エンベロープ・ウイルス」や一般の細菌に対して有効ですが、エンベロープのないノロウイルスはアルコールによって無害化されないので、手を洗わないと感染の危険が発生します。
「手洗い」はあらゆる感染症対策の基本ですので、もう一度、20秒以上かけて石鹸で手を洗うことを意識しましょう。微生物・寄生虫や細菌なども、手についているものに関しては手洗いの徹底によって身体に入ることを防ぐことができます。
なお、食中毒予防は食品を作る立場の人が温度管理などで細菌の繁殖を防ぐことが基本ですが、周辺の消毒も重要です。まな板やテーブルなどを消毒する際はアルコールだけではなく0.02%に希釈した次亜塩素酸ナトリウム消毒液を使用するようにしましょう。
きたる9月21日から、秋の全国交通安全運動が実施されます。
運動期間中における交通安全活動の実施プランと配布用パンフレットや掲示資料などを8月中には準備しておきましょう。
今年の実施要項は以下のような内容です。
○運動期間
2021年9月21日(火)~30日(木)までの10日間
○運動重点
○交通事故死ゼロを目指す日
9月30日(木)
※詳しくは、内閣府のWEBサイトを参照してください。運動重点 子供を始めとする歩行者の安全と自転車の安全利用の確保 高齢運転者等の安全運転の励行 夕暮れ時と夜間の交通事故防止と飲酒運転等の危険運転の防止
安 全 活 動 の 実 施 内 容 | |
運転者への 呼びかけ |
●横断歩道における歩行者優先の徹底(一時停止の徹底) ●歩行者に対する思いやりのある模範的な運転の励行 ●妨害運転(いわゆる「あおり運転」)等による悲惨な交通事故の実態の周知 ●危険・迷惑運転の防止と飲酒運転根絶の徹底 ●夕暮れ時における自動車・自転車前照灯の早めの点灯 ●交通法令を遵守し,体調面も考慮した安全運転の励行 ●全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底 ●自転車利用者に対する交通ルールの遵守の徹底 ●社内における交通安全広報啓発活動 ●地域の交通安全啓発活動への参加の促進 |
東京2020オリンピック・パラリンピックは今年に延期されましたが、そのため、8月の「山の日」が11日から8日に移動してオリンピック閉会式が開催され、9日は振替休日となっています(11日は平日です)。
祝日法の改正が遅れて、カレンダーでは移動の記載が間に合わなかったものがほとんどです。
事業所や家庭のカレンダーと実際の祝日が異なっていますので、従業員に注意を促しましょう。
詳しくは内閣官房作成のチラシを参照してください。→ 「2021年の祝日移動について」
東京オリンピック・パラリンピック大会2020の開催に伴い、東京圏を中心とした高速道路などにおける交通規制が実施される予定です。
実施期間は7月19日(月)~9月5日(日)で、首都高速道路や外環道などで大規模な規制が行われ、マイカーなどは料金も高くなりますので、東京2020組織委員会のWEBサイトや、首都高速道路のページで、規制内容の確認をしておきましょう。
高速道路本線を通過する交通量を調整するために、本線料金所の解放するレーンの数が制限されたり、高速道路の入口が閉鎖されます。
また、本線の利用できる車線が制限されたり、ジャンクション部分でも方向別規制など利用が制限されます。
異常気象時の措置を徹底しましょう
台風や豪雨等による異常気象時下に無理な運行をしたため、近年、事業用トラックの水没事故や横転事故などが発生し死亡事故例もあります。
そこで、国土交通省は昨年2月に「異常気象時における措置の目安」を示し、トラック運送事業の安全を図るとことを目指しています。
8月は台風等の接近により、異常気象被害の多発が予測されます。
このような場合には、以下の「目安」などを基に、着荷主・発荷主等と連携を図って、ドライバーの命と大切な荷物を守るための行動に取り組んでください。
また、気象庁は自然災害発生時に、レベル1~5の災害情報を発令します。倉庫や車庫で浸水の危険等が予想されるときには、早急な避難を徹底するように指導しておきましょう。
日 付 | 行 事 等 |
1日(日)~ 31日(火) |
・道路ふれあい月間──国土交通省では毎年8月を「道路ふれあい月間」として、道路の正しい利用や道路愛護活動の推進に努めています。 「ゆずりあい 道路で示す 日本の美」 「この町の 歴史と笑顔を つなぐ道」 「ポイ捨てしたら俺泣くよ」 |
1日(日)~ 31日(火) |
・食品衛生月間──厚生労働省では、毎年食中毒の発生しやすい8月に 食品衛生管理の徹底を呼びかけています。 |
~ 9月30日 |
・2021年度 港湾労働安全強調期間──港湾貨物運送事業労働災害防止協会による全国安全週間に呼応した活動。港湾内の事故防止活動を推進。 ●本年度のスローガン─「持続可能な安全管理 未来へつなぐ安全職場」 詳しくはこちらを参照してください。 |
1日(日) |
・夏の省エネ総点検の日 |
5日(木) |
・タクシーの日──大正元年(1912年)のこの日、東京有楽町で日本初のタクシー会社(タクシー自働車株式会社)が設立され、メーターを装備したT型フォード6台で営業を開始しました。 |
7日(土) |
・立秋 |
7日(土)~ ~9月5日(日) |
・令和3年度 「第1回 運行管理者試験」(CBT試験) CBT試験は筆記による試験ではなく、テストセンターにてパソコン画面に表示される試験にマウス等を用いて回答します。試験専用サイトにて指定された試験会場、日時から申請者が選択して受験します。 詳しくは、(公財)運行管理者試験センターのWEBサイトまで。 |
8日(日) |
・山の日(東京五輪2020に伴い11日から祝日移動)──国民の祝日のひとつ。2016年(平成28年)1月1日施行の改正祝日法で新設されました。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨としています(通常の日付は8月11日)。 |
9日(月) |
・振替休日 |
10日(火) |
・道の日──大正9年の同日にわが国で最初の道路整備の長期計画がスタートしました。 |
10日(火) |
・健康ハートの日──「ハー(8)ト(10)」の語呂合わせから日本心臓財団などが制定。心臓病に対する予防知識を啓蒙します。夏の間に心と体のチェックをして、心臓病の多発する冬に備えましょう。 |
10日(火) |
・8月の製品安全点検日 ──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。 |
15日(日) |
・終戦記念日/全国戦没者追悼式 |
16日(月) |
・鹿沼市水没事故から13年──2008年8月16日、群馬県鹿沼市の市道で軽乗用車が冠水中のアンダーパス道路で水没し女性が死亡しました。本人と目撃者から1110番通報がありながら警察や消防の初動ミスがあり、救助隊が出動していなかったことが明らかになり、豪雨時における冠水の危険と車両誘導の課題が浮き彫りになりました。 |
18日(水) |
・飛騨川バス転落事故から53年──1968年8月18日、岐阜県加茂郡白川町の国道41号で観光バス複数が土砂崩れのため立ち往生し、2台が土石流に押し流されて飛驒川に転落、104人が犠牲になりました。被害者は自賠責の対象とされ、国家賠償訴訟で国の過失6割、不可抗力4割と認定されました。国道における防災体制が整備される契機となり、その後、異常気象時の通行止め規制も強化されました。 |
19日(木) |
・バイクの日──政府の交通安全対策本部が二輪車の交通事故撲滅を目的に制定しました。この日を中心に、全国で二輪車の安全運転講習会等が展開されます。 |
20日(金) | ・交通信号の日──昭和6年(1931)のこの日、東京銀座と京橋に3色の交通信号機が設置されました。 |
23日(月) | ・処暑 |
25日(水) |
・福岡市/海の中道大橋飲酒運転事故から15年──2006年8月25日、福岡市東区の海の中道大橋で、会社員の乗用車が飲酒運転をしていた福岡市職員(当時22歳)の乗用車に追突され海に転落、同乗していた3児が死亡する事故が起こりました。加害者は救助をする意思もなく逃走を図り、飲酒の事実を隠蔽しようとしましたが、危険運転致死傷罪と交通法違反を併合した懲役20年の刑が最高裁で確定しました。その後、「飲酒逃げ得」を防ぐため飲酒運転とひき逃げの罰則が強化されました。 |
25日(水) | ・徳島道マイクロバス事故から4年──2017年8月25日、鳴門市の徳島自動車道で路肩に停車中のマイクロバスに居眠運転の大型トラックが追突し、高校生ら16人が死傷する事故が発生し、元トラック運転者には禁錮4年の実刑判決が言い渡されました。長時間にわたり高速道路上に停車したバス運転者やバス会社の責任が問われ、「指導・監督の指針」の内容改正にも反映されました。 |
25日(水)~ 31日(火) |
・道路防災週間──道路防災に関する広報活動が行われ、道路施設・設備点検、防災訓練などを行います。 |
30日(月)~ 9月5日(日) |
・防災週間──防災に対する知識を普及・啓発するとともに、防災行動へと結びつける取組みが全国各地で行われ、異常気象時における通行規制図などが自治体から配布されます(内閣府)。 |
30日(月)~ 9月5日(日) |
・紀伊半島豪雨災害から10年──2011年8月30日から翌月5日にかけて台風23号の影響で関東と紀伊半島を中心に豪雨による甚大な被害が発生、河川の氾濫や土砂災害により全国で98人の死者・行方不明者がでました。 |
5月1日~ 9月30日 |
・「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」期間 厚生労働省が主唱する熱中症予防対策キャンペーンは、5月1日から9月30日まで実施されています。 |
7月9日~ 9月10日 |
・交通安全ファミリー作文コンクールの募集 (応募締切は例年9月10日──詳しくは、警察庁のWEBサイトを参照) |
~9月30日 |
・夏の省エネキャンペーン──6月より実施/エネルギー消費の大きなピークの季節を迎え、省エネキャンペーンが行われています。 |
8月中旬 | ・2021年7月末までの交通事故発生状況発表(警察庁) |
8月下旬 |
・2021年6月分 トラック輸送情報(国土交通省) |
◆8月の日没時刻 (国立天文台 暦計算室による)
1日(日) | 福岡 19:19 |
大阪 19:01 |
東京 18:45 | 札幌 18:56 |
15日(日) |
福岡 19:05 |
大阪 18:46 |
東京 18:31 |
札幌 18:38 |
31日(火) | 福岡 18:46 |
大阪 18:26 |
東京 18:10 |
札幌 18:12 |
8月は暦の上ではもう秋、日がどんどん短くなっています。日没時刻が夕方6時台になる地方が多く油断は禁物です。ライトの点灯を早めにすることを意識しましょう。また、夏の夕刻はジョギング・夕涼み、自転車のツーリングなど人の流れが多くなりますので、見落としには十分な注意が必要です。
早めのライト点灯を意識して実践しましょう。
あなたが点灯することで歩行者や自転車などからもあなたのクルマが確認しやすくなります。ライト活用を意識して、周囲の警戒を徹底してください。
また、薄暮・夜間には横断歩道上の歩行者の発見遅れが目立ちます。前方の路面にダイヤマークを見かけたら横断者の存在を予測しましょう。
「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯をドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。全国で点灯活動を展開する運転者が増えています。
JAF(日本自動車連盟)も早期ヘッドライト点灯キャンペーンを展開しています。
JAFのインターネットWEBサイトではライト点灯
に関して様々な情報提供が行われます。
※詳しくは JAF Safety Light
のサイトを参照してください