運転中にスマートフォンなどを注視する「ながら運転」は大変危険ですから厳罰に処せられますが、歩行者などの「ながらスマホ」も危険が少なくありません。
先日も、東京・板橋区の踏切内をスマートフォンを見ながら歩いていた31歳の女性が、画面に夢中になって警報が鳴った踏切の中で自分が立ち止まっていることに気づかず、やってきた電車にひかれて死亡する事故ありました。
スマートフォンの画面を見続けていると、とくにゲーム画面などでは没頭してしまい、自分の周囲にまったく意識がいかなくなることがあります。
以前、アメリカ・サンフランシスコ市の列車内で強盗殺人があったときに、すぐ近くにいた乗客数人がスマートフォンを見続けていて銃を構える犯人にまったく気づかないまま、銃声が聞こえるまで殺人犯がいたことを知らなかったという事件がありました。
歩行者がスマホ注視から側溝などに落ちるのは、自業自得ですみますが、歩行者が車と衝突した場合は車側の過失がゼロとはなりませんので、注意が必要です。
ですからスマートフォンなどを見ている歩行者がいた場合、「歩行者は車の存在にまったく気づいていない」と判断し、いきなり危険な横断を始めても不思議はないと考えるべきでしょう。
歩行者が危険な行動をしても避けられるように、予測をして走行しましょう。
(シンク出版株式会社 2021.7.15更新)
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