さる11月26日午前6時半すぎ、東京都北区の交差点で直進しようとした都営バスと右折しようとした乗用車が衝突し、バスの乗客50人のうち通学中の高校生など10人が軽いけがをしました。
バスの運転者は「まさか乗用車が右折してくるとは思わなかった」といい、乗用車の運転者は「信号が青なので右折できると思った」と供述しているということで、互いに思惑違いがあったようです。
バスの運転者にしてみれば、通常、対向車線の右折待ち車が右折してくるタイミングでないと感じて警戒を解いたのでしょう。一方、右折した乗用車の方は、このぐらいの距離なら強引に右折しても相手が減速すれば大丈夫と考えていた可能性があります。
右折待ちしているとき、少しでも対向車線の車間距離が開いたら、間隙を縫って右折しようとするタイプの運転者がいます。
こうした人は、相手の直進車が急減速して危険を回避したために事なきを得ていることに気づかないまま、間違った成功体験を積み重ねて、ギリギリのタイミングでも右折できると勘違いしている可能性があります。
路線バスは急ブレーキを踏むと車内事故を起こす危険がありますので、青信号交差点ではそのまま走行したいと考えています。相手に右折してほしくないというバス運転者の願望は、「まさか右折して来ないだろう」という意識に繋がります。
路線バスは公共交通でありたくさんの命を預かっています。乗用車などに乗る運転者はそのことを意識し、交差点で無理な右折をすることは止めましょう。
(シンク出版株式会社 2021.12.1更新)
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