新年、あけましておめでとうございます。
昨年は、歩行者事故に関するニュースが多かったと記憶しています。
自動車の交通事故件数は減少していますが、通学中の児童が被害にあったり、歩道上に乗り上げた車が歩行者をなぎ倒すような事故が注目を集めて、繰り返し報道されました。
それだけ、車の振る舞いに対して社会の見る目が厳しくなっていると感じられます。
コロナ禍を経て世界中で「命の大切さ」が再認識されています。
たとえ1件の交通事故でも、被害者にとっては大きな人生の裂け目となりますので、ことの重大さに思いを寄せることが肝心です。
新年を迎え、今年1年の無事故を誓われたでしょうか。まだという人はぜひ、1年間を無事故で過ごすことを誓い、とくに歩行者や自転車、車椅子で移動している人など弱い立場の方々を守ることを心に念じていただきたいと思います。
道路は車だけのものではありません。車の効率的な移動が優先された時代は終わりを告げ、温暖化対策のためにも道路資源を皆で分け合う(シェアする)ことが求められています。ゆっくりでも安全でCO2排出を増やさない移動が最優先です。
電動キックボードや電動車椅子など新しい交通手段も現れていますが、これらの交通参加者を「邪魔だな」などと考えずに、人やいろいろな乗り物が混在する道路でお互いに配慮し、安全を守りあうことが重要です。
互いの存在を尊重し、道路をシェアする態度を身につけましょう。
(シンク出版株式会社 2022.1.5更新)
本書は金光義弘氏(川崎医療福祉大学名誉教授・NPO法人安全と安心 心のまなびば理事長)が長年の研究と実践で培った知識と経験をもとに、現在の交通問題について50の提言をまとめた1冊です。
提言は、リスクマネジメントや危機管理体制の基本、ストレスや健康管理ミスが交通事故の原因になる仕組み、これからの交通社会を担う子どもの安全教育まで、幅広いジャンルを紹介しています。
交通問題解決の指針に触れることができ、朝礼話題のネタ探しにも活用できる一冊です。