2022年(令和4年)1月6日に道路交通法施行令が改正され、
●大型・中型免許や第二種免許の受験資格
取得の特例(19歳以上で可能に)
●高齢ドライバーへの運転技能検査の導入
●自動車の積載制限の緩和
などが5月に施行されることになりました。
免許取得の特例については、2020年6月10日に公布された改正道路交通法に盛り込まれていましたが、政令を整備して公布後2年以内に施行されることになっていました。
一定の教習を修了した者について、大型・中型自動車免許、第二種免許等の受験資格を19歳以上かつ普通自動車免許等保有1年以上に引き下げる等の特例が設けられます。
また、同じく2020年6月の法改正で決まっていたものですが、一定の違反歴のある75歳以上の高齢運転者(過去3年間に信号無視や大幅なスピード超過など特定の違反歴や事故歴がある)に対して運転免許証更新時に運転技能検査を実施することになります。
このほか、安全運転サポート車限定免許も導入されます。
いずれも2022年5月13日に施行されます。
【編集部注】
施行日は5月13日ですが、実際に特例教習が始まる時期は都道府県によって差があります。施行と同時に教習所の指定を行った都道府県公安委員会がある一方で、指定が7月ごろとなり教習が始められるのが早くても秋以降となる県もあるようです。
特例教習の実施ができる教習所は、順次、各都道府県警察本部のホームページで公表される予定ですが、対象となる19歳以上の運転者がいる場合は地元の警察本部に問い合わせましょう。
自動車の積載制限として、現行では積載物の長さは自動車の車長の1.1倍まで、幅については車幅までとされていました。
これが、改正後は車長の1.2倍、車幅についても1.2倍までに緩和され、この範囲を超えなければ制限外積載許可の申請をする必要がなくなります。
なお、自動車の左右1.1倍を超えてはみ出すことは禁止されます。長さについても前後いずれかで1.1倍を超えることはできません。それぞれ、1.2倍の規制を超える場合は制限外許可申請が必要となります。
警察庁では、住宅建築関係団体や物流関係の要望を踏まえて、周囲の交通に与える影響がない範囲で規制を緩和できないか、検討していました。
サイドミラーなどの効用等を失わせることなく、自動車の車体からはみ出して積載可能な長さまたは幅を確認するための走行実験を実施し、自動車の走行安定性等が確保されること、周囲の交通に与える影響がほとんどないこと等を確認したとしています。
高齢運転者対策として実施されるのが、過去3年以内に一定の違反(下枠内参照)をした75歳以上の運転者に導入される運転技能検査(実車試験)と安全運転サポート車限定免許です。
対象となる高齢者は、運転免許試験場や教習所で実車に乗って技能検査を受ける必要があります。更新期限の半年前から何度でも受験できますが、不合格の場合は免許が更新できません。検査の手数料は1回につき3,550円と定められました。
なお、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違え時の急加速抑制装置などの安全機能を備えた「安全運転サポート車」限定の免許の申請も、5月13日から可能になります(年齢制限はなし)。
申請して即日交付も可能です。なお、限定免許になったにもかかわらず、サポート車ではない一般の普通車を運転した場合は「免許条件違反」となり、罰則は3月以下の懲役または5万円以下の罰金となり違反点数が2点付与されます。申請前にサポート車を入手してそのサポート車を運転して申請に行くなどの注意が必要となります。
(※サポート車限定免許でも、原動機付き自転車と農耕機などの小型特殊自動車の運転は可能です)
【運転技能検査の対象になる11の違反類型──75歳以上の高齢運転者】