今年4月、三重県伊賀市内のセルフ式ガソリンスタンドで、軽トラックの荷台に置いた金属製の携行缶に、客が自ら給油中に出火して荷台が炎上する火災があったことから、伊賀市消防本部では「携行缶にガソリンを給油する際には、自分で給油しないよう」に呼び掛けています。
2019年に起きた京都アニメーションの放火事件以降に、容器にガソリンを詰め替えるときには、本人確認や用途の確認が義務づけられており、作業は従業員が行うことが義務づけられていますが、先の事件では、従業員は客が携行缶に給油していることに気づかなかったということです。
ご存じのように、ガソリンは揮発性が高く、可燃性の蒸気は空気より重いために低い場所にたまりやすく、引火点も低く極めて引火しやすいという特徴を持っています。
したがって、取り扱いを誤ると思わぬ事故につながるため、取り扱いは、帯電しにくい服を着たガソリンスタンドの従業員が行うようになっているのです。
何か目的があって、携行缶にガソリンを給油する場合には、自分勝手に給油しないで、身元や用途を伝えて従業員に依頼するようにしてください。
(シンク出版株式会社 2022.6.8更新)
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