さる7月5日、東京都葛飾区内の交差点で、青信号で通過しようとしたクレーン車に右から信号無視の軽乗用車が突っ込んできて出会い頭に衝突し、軽乗用車を運転していた60代の男性が死亡しました。
男性には持病があり、事故の直前に意識を失って交差点に突っ込んできたものとみられています。
近年、こうした意識喪失による健康起因事故が多発しています。その原因としては、病気の管理がうまくいっていなかったり、治療薬を飲み忘れたにも関わらず、運転してしまうようなケースが考えられます。
また、最近の酷暑で体力が落ちているところに運転のストレスが加わって、暑さによる極度の疲労や熱中症などで一時的に意識を失う危険があります。
とくに持病のある人は注意が必要ですから、身体がつらいと感じるときに無理をして運転するのは禁物です。
意識喪失の際の運転状況は様々です。軽い失神程度で、道路外の田んぼに逸脱して意識が回復し軽傷ですむ場合もあれば、交差点で大型車とノーブレーキで衝突したり、歩行者の列に突っ込んでしまう恐れもあるのです。
その日の体調は自分自身しかわかりません。少しでも不安がある場合は運転を控える勇気をもちましょう。
(シンク出版株式会社 2022.7.13更新)
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