皆さんは、運転業務の緊張で疲れることもあると思います。そして、業務が一段落して会社に戻るときはホッとするでしょうが、こんなとき事故の落とし穴があるので注意が必要です。
さる12月13日午後3時半ごろ、鹿児島県薩摩川内市の国道で小学校のスクールバスがトラックに追突し、バスの運転者(20代)が胸の痛みを訴えて病院に搬送される事故がありました。
幸い、スクールバスは児童を降ろして小学校に戻る途中だったので、誰も乗っていませんでしたが、子どもたちの送迎が無事に終わって運転者はホッとし、少し緊張が緩んでいたのではないでしょうか。
乗合バスの事故を調べた研究では、回送・空車時におけるバス事故は、乗客がいる場合と比べて加害事故の危険性が高いというデータがあります。
乗客が大勢いることはバス運転者に取ってストレスで、それが事故に結びつくことがある一方で、ストレスからの解放もまた事故リスクを高める可能性があるということです。
これはバス運転者だけでなくすべての運転者に関連していて、仕事がほぼ終わり「あとは社に戻るだけ」というときこそ注意が必要です。
車のキーを抜くまでは、気を引き締めて運転しましょう。
(シンク出版株式会社 2022.12.16更新)
*回送・空車時におけるバス事故の危険性
道路交通法施行規則の改正(2022年4月1日)により、新たに安全運転管理者の業務として、運転前・運転後の「酒気帯び有無」の確認とその記録、記録の保存、並びにアルコール検知器を使用したチェックが義務づけられました。
2021年6月の千葉県八街市における白ナンバートラックによる飲酒死傷事故が大きな社会的問題となり、飲酒運転根絶に向けた取組みとして位置づけられたのです。
本冊子は、管理者が運転者の酒気帯び確認をする方法について、イラスト入りでわかりやすく解説しています。