さる3月15日京都市内の交差点で、路線バスが前方に進路変更してきたタクシーを避けようとして急ブレーキを踏み、乗客の女性4名が転倒して怪我を負いました。
結局バスとタクシーは接触しましたが、タクシーに大きな被害はありませんでした。
この事故で、45歳の女性が後頭部挫創を負い、19歳、57歳、60歳の女性が軽傷を負って病院に搬送されています。
現場付近でバスは左側の優先通行帯を走行していたため、タクシーの進路変更に問題があったと思われます。
路線バスは空車でない限り、車内事故を防ぐため極力急ブレーキを踏むことができない状況で走行しています。このため、急な進路変更などにあうと、衝突を避けようとしても乗用車同士のような素早い停止行動は難しくなります。
急ブレーキを踏まないためにバスは前車との車間距離をとって走行していることが多いので、並走している車にとっては、「そこへ進路変更できるかもしれない」という誘惑が発生します。
しかし、バスが加速することもありますので、そのようなタイミングで進路変更すると、車内事故を誘発しやすくなります。バスがゆっくり走行していて簡単に進路変更できるように感じても、バスの前に入るのは危険です。
進路変更が必要な場合は、必ず、バスの後方に入るように心がけましょう。
(シンク出版株式会社 2023.3.22更新)
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