自転車ヘルメットの着用を努力義務化──改正道路交通法の施行

■自動運転のレベル4サービス等も解禁──2023年4月1日施行

自転車ヘルメットの着用義務化

●ヘルメット非着用の致死率は2倍強!

 

 2023年4月1日から、自転車に乗るときのヘルメット着用が全年齢で努力義務になります。

 改正道路交通法の施行によります。

 

 これまで道路交通法では、13歳未満の子どもを対象に「保護者が着用させるよう努めなければならない」とされていましたが、今後は全ての年齢が対象となり、また、自分が運転する自転車に他の人を乗車させる場合も、ヘルメットを着用させるよう努めなければならないとしています。

 

 自転車事故が相次ぐ中、利用者の安全を守るための措置です。ちなみに、自転車利用者の交通事故による死者数の約6割が頭部に致命傷を負っていて、ヘルメットを着用していない人の致死率は着用者の約2.6倍となっています。

 

 なお今後、都道府県警察本部では、それぞれ「自転車指導啓発重点地区・路線」を設けて自転車の正しい乗り方を理解してもらうための指導を強化するとともに、自転車の交通ルールの徹底を図るために重点的な取締りを実施します。 

 地区や路線については、各都道府県警察本部のWEBサイトに掲載されています。

自転車ヘルメット着用有無別の致死率
自転車死者の致命傷部位

■警察庁作成による自転車ヘルメット着用の啓蒙リーフレット

自転車ヘルメットの着用義務化
自転車安全利用五則改訂

*警察庁のリーフレット・ポスターについては、こちらを参照してください。

■無人の自動運転バスや自動配送ロボットサービスなども解禁

自動運転レベル4

 このほか、自動運転のレベル4に相当する自動運転システムサービスが、特定の条件下で解禁されます。 

 

●自動運転レベル4の解禁

 

 予め設定された特定の条件下で、システムが周辺の環境を認識して車の操作を行うレベル4相当の自動運転サービスが4月1日より解禁されます。運転者の乗車は必要ありません。

 

 都道府県公安委員会の許可制で、たとえば、過疎地域で特定のルートの公道を巡回する無人バスなどが想定されています。自家用車は今のところ対象外です。 

自動配送ロボット

 

●自動配送ロボットの実用化

 

 これは都道府県公安委員会への届け出制で「遠隔操作型小型車」と分類され、荷物だけでなく人を運ぶこともできます。

 

 最高速度は時速6kmまでとし、歩道・路側帯と車道の区別がある道路では歩道や路側帯を走行します。また、交差点では歩行者用信号に従い、横断歩道を通行するなど、歩行者の交通ルールが適用されます。

 

 すでに、改正法の施行前から実証実験が行われていて、遊歩道に隣接する集合住宅などで宅配ロボットとしての活躍が期待されています。

【道路交通法/参照条文──下線部分が改正された内容(2023年4月1日施行)】

 道路交通法 第63条の11

 (自転車の運転者等の遵守事項)

 

 自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。

 2 自転車の運転者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメット

  をかぶらせるよう努めなければならない。

  児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは、当該

  児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

 改正前の条文 道路交通法 第63条の11

 (児童又は幼児を保護する責任のある者の遵守事項

 

  児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは、当該  

 児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

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