さる8月19日、鹿児島市春山町の県道で高校生30人を乗せた貸切バスが道路下に横転し、10人が重軽傷を負う事故が発生しました。
事故の原因は、バスの運転者(62歳)が経路を間違えて幅員3mほどの山道に入り、雨でぬかるんでいた路肩でタイヤを滑らせたものです。
「4t以上の車は通行禁止」という標識があり、とても13tの大型バスが走行できるような山道ではありませんでしたが、運転者は、「道を間違え、到着時間が気になり動揺してしまった」
「もう少し走れば広い道に出るのではないかと思った」などと話していて、冷静な判断ができていなかったようです。
私達も、知らない場所で間違えて細い道などに入り込んでしまう可能性がありますが、間違いに気づいたとき、パニックになったり「このまま行けるかも知れない」と甘い期待を持たずに、すぐ安全な場所で停止して、地図やカーナビゲーションなどで自分がどこにいるのか確認しましょう。
来た道を戻るほうが安全で、その方が結局早く目的地に到着する場合も多いものです。安易にそのまま走行してしまうと行き止まりなどで進退が極まったり、事故例のように崖から転落する危険などがあります。
なお、経路を間違えないよう道路標識に注意し、事前に曲がる目印などを確認しておくことも重要です。
(シンク出版株式会社 2023.8.29更新)
2016年1月に発生した軽井沢スキーバス事故を契機に、国土交通省ではバス事業所への監査を徹底するなど、再発防止のための法改正を行いました。その中でも、初任運転者に対する教育は重点的に強化されましたが、具体的な教育テキストはありませんでした。
本書は、中国バス協会様のご指導のもとに制作したテキストで、事業所における初任運転者教育の方法を具体的に紹介した決定版です。初任運転者教育の内容をイラストや写真を使って、わかりやすく解説しています。
また、指導記録用紙や記入例、実技指導のチェック項目も備えていますので、バス運転者の初任運転者教育を行うにあたって欠かせない1冊となっています。