国土交通省は、大型車の車輪脱落事故が相次いでいることを踏まえて、事故防止のため、事業用車両の管理を担う「整備管理者」にタイヤ脱着作業の監督や増し締めなどの実施を求めています。
整備管理者向けの研修に脱落事故防止対策を追加するほか、整備管理者制度の運用通達など(※)を改正し、10月1日から施行しました。
これによって、不適切なタイヤ脱着作業や保守で車輪脱落事故を起こした運送事業者や整備管理者は行政処分の対象となります。
改正のポイントは以下の3点です。
整備管理者の選任前・選任後研修では、大型車の車輪脱落事故の事例と防止対策を徹底することの重要性を学ぶカリキュラムが追加されました。
また、脱落事故を起こした事業者へのペナルティも厳しくなります。
①車輪脱落事故を起こした運送事業者に対して
車両停止処分
車両総重量8トン以上のトラック・バスで、ホイール・ナットの折損・脱落などのため車輪脱落事故を起こした運送事業者に対して、車両の使用停止処分が科せられます(車輪脱落要因に事業者の関与がなく、点検整備が確実に行われている証明があった場合を除く)。
[車両の使用停止期間]
・初違反 20日車 ・再違反 40日車
②3年以内に事故を2回起こした運送事業者に
対して整備管理者の解任命令
不適正なタイヤの脱着やホイールボルト・ナットの保守管理を怠ったことで車輪脱落事故を起こした運送事業者が、3年以内に再び車輪脱落事故を起こした場合、国土交通省から整備管理者の解任命令が出されます。
解任された整備管理者は、2年間選任資格がなくなります。
※「道路運送車両法の一部を改正する法律などの施行に伴う整備管理者制度の運用について」
(2003年自動車交通局長通達)
【関連記事】
●事業者が取り組む安全対策~点検・整備の推進~(国土交通省WEBサイト)
●「整備管理者制度の運用について」の一部改正について(国土交通省PDF)
●「自動車の整備管理について」(国土交通省PDF)
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