去年10月、静岡県の富士山5合目から下る道路で、観光バスが横転し29人が死傷した事故に関して、過失運転致死傷罪に問われた元運転者の男性(27歳)に、静岡地裁沼津支部は禁錮2年6か月の実刑判決を言い渡しました(9月26日判決)。
運転者個人は非常に反省し、遺族や被害者への謝罪も誠実に行っているということで、執行猶予もあるかも知れないとみていましたが、裁判所はフェード現象を起こした運転操作の過失と、乗客を死傷させた責任を重く見たという判決理由を述べていました。
バスなど乗客のいる運行に限らず、運転の過失は不特定多数の人に大きな影響を与える恐れがあり、運転者は運転免許という資格のもつ責任の重大さを改めて考える必要があります。
一方で、経験の浅い若い運転者に十分な指導・訓練を施さず、難しい経路を走行させた事業者の責任も追及されるべきです。
私達も、初めての経路や運転経験のない車種を任されたときには、このぐらい大丈夫だろうと甘く考えるのは禁物です。
悲惨な結果を生じさせないように、勇気を持って上司などに相談し、自信がつくまで指導を受けるようにしましょう。
(シンク出版株式会社 2023.10.2更新)
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