さる2023年10月2日、岡山県にあるターミナルスクエア12階ホールにて、第24回交通大学が開催されました。
コロナ禍により4年ぶりの開校となった今回の交通大学には、全国から100名を超える参加者が集まり、「これからの交通社会を見据えた安全教育のスタイル」をテーマに開講された4つの講座を、熱心に受講しました。
まず、交通大学のコーディネーターである川崎医療福祉大学名誉教授であり、NPO法人「安全と安心 心のまなびば」の理事長である金光義弘先生から開催にあたっての挨拶がありました。
そのなかで、交通大学は「交通事故をなくす」というだけでなく、「住み良い交通社会を作ろう」という想いも込められていることから、今年は外国籍の方や障害者の支援、地域交通の改善等、教育のスタイルについて考えるものにしたと述べられました。
※過去の交通大学について詳しくはマイクロメイト岡山㈱のWEBサイトへ
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浅田氏は、近年、増加傾向にある外国籍の方々に対して、運転免許を取得するためのサポートを行っています。
その取組みの一つとして「globalカフェ」の開催を挙げ、コミュニケーションを重視した交流の場を設けたことなどの説明がありました。
諏訪氏は、発達障害のある人が免許を取得するためには、どのようなサポートが必要であるのかについて、発達障害の特徴等も交えながら説明がありました。
このなかで、発達障害のある人にとって、運転免許の取得は「運転できる」というだけでなく、「社会に認められた」という証明にもなるため、免許が必要な人には取得できるようにサポートしてほしいと述べられました。
國廣氏は、「岡山県内の公共交通の現状と課題」をテーマに、公共交通を維持するためには、公共交通を利用することが欠かせないとして、地域の足を未来に残すためにも、公共交通を積極的に利用することの重要性等を述べられました。
大谷氏は、「具体的な取り組み事例紹介」として、久米南町で運行されているフルオンデマンドバスについて説明しました。
そのなかで、AI配車システムを導入し、運行方法を見直したことで混雑緩和や経費の削減につながったほか、使用者の利便性が向上し、外出頻度が増えたことなどが述べられました。
渡邊氏は、2014年に発生した長男の命を奪った交通事故が、愛媛県で自転車通学する高校生のヘルメット着用義務化の大きなきっかけとなったことや、悲しい事故を防ぐための方法などについて述べられました。
そのなかで、大人が正しい姿を見せることの重要性や、「信号機のない横断歩道で歩行者に進路を譲る際には、ハザードランプを点灯しながら止まるとよいのでは?」等の提案がありました。
閉会の挨拶として、木村氏は、「各講座はそれぞれの経験、研究の成果等が織り込まれた素晴らしい内容であった」と感想を述べられました。
また、人の命が奪われることで行動を起こすのではなく、そうなる前に各自が行動し、地域を変えていくことで安全・安心な社会を目指していくことの必要性を訴えました。
第24回交通大学データ
・日 時 2023年10月2日(月)10:10~15:50
・会 場 ターミナルスクエア
・主 催 マイクロメイト岡山株式会社(木村憙從代表取締役会長)
・コーディネーター 金光義弘(NPO法人 安全と安心 心のまなびば理事長・川崎医療福祉大学
名誉教授)
・プログラム
第1講座 「外国籍の方への教習サポート」
──浅田克子(八尾自動車教習所 安全推進部長)
第2講座 「発達障害と免許」
──諏訪利明(川崎医療福祉大学 医療福祉学部医療福祉学科 准教授)
第3講座 「高齢ドライバー及び交通弱者における喫緊の課題」
──國廣みゆき(岡山県 県民生活部 県民生活交通課)
──大谷健吾(久米南町 総務企画課)
第4講座 「大地の花束」
──渡邊明弘