トラックGメンの活動で、荷主対策に成果

■悪質な荷主・元請けの監視を強化、ヤマト運輸など2社に勧告を実施

●不当な運賃、長時間荷待ち等を是正

 

 物流の2024問題として、4月から自動車運転者への残業規制や新しい改善基準告示が適用されることに関連して、国土交通省は荷主の協力が不可欠と考え、全国の荷主や元請け企業に対する監視を強化しています。

 

 具体的な活動としては、2023年7月から本省および全国の運輸局に「荷主特別対策チーム=トラックGメン」を編成し、トラック運転者の長時間労働の是正のため、事業者の情報をもとに長時間の荷待ちや依頼になかった荷役付帯労働、運賃・料金の不当な据置きなどがないかを集中的に調査してきました。

 

 とくに2023年11月・12月をトラックGメンによる「集中監視月間」と位置づけ、適正な取引阻害のある悪質な荷主や元請事業者に対する監視を抜本強化し、164件 の「要請」と47 件の「働きかけ」を実施しました。

 

 さらに、過去に「要請」を実施した荷主等のうち、依然として違反原因行為に係る情報が相当数寄せられた荷主1社、元請事業者1社について()、要請後も違反原因行為を続けていると認め、違反を続けないよう「荷主勧告」し、その旨を一般に公表しました。

ヤマト運輸(株)と王子マテリア(株))


【トラックGメンの集中監視月間における実績】

  1. 勧告: 2件【初】(荷主1、元請1件)
  2. 要請:164件(荷主82、元請77、その他5)
  3. 働きかけ: 47件(荷主26、元請19、その他2)

 ──計213件の法的措置を実施

 

 ●主な違反原因行為──長時間の荷待ち(62%)、運賃・料金の不当な据置き(14%)

  契約になかった附帯業務(13%)、無理な運送依頼(7%)、過積載運行の要求(3%)

  異常気象時の運行指示(1%)

 ●今般「働きかけ」「要請」「勧告」の対象となった荷主等についてはフォローアップを継続し、

  改善が図られない場合は、更なる法的措置の実施も含め厳正に対処する方針。

 ●厚生労働省の「荷主特別対策担当官」や中小企業庁の「下請Gメン」等とも連携を強化して、

  荷主やトラック事業者への合同ヒアリングを実施している。

 

 

トラックGメン 荷主企業への「要請」事例

●詳しい内容は、国土交通省のWEBサイト「報道発表資料2024.1.26」を参照してください。

 【関連記事】

 ●トラックGメンによる「集中監視月間」取組み結果 (国土交通省WEBサイト)

 ●トラックGメンによる荷主等への監視体制をさらに強化 (国土交通省 報道資料)

 ●「トラックGメン」の創設について (国土交通省WEBサイト)

 ●改善基準告示の改正に伴い「荷主特別対策チーム」を編成しました(厚生労働省WEBサイト)

 ●長時間の荷待ちに関する情報メール窓口(厚生労働省WEBサイト)

 ●取引調査員(下請Gメン)による訪問調査について(中小企業庁WEBサイト)

 ●荷主への対策が強化されます(2019年7月)(運行管理者のための知識) 

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